上田市議会 > 2015-07-05 >
09月07日-一般質問-02号

  • "インド"(/)
ツイート シェア
  1. 上田市議会 2015-07-05
    09月07日-一般質問-02号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    平成27年  9月 定例会(第3回)議事日程 第 1 諸般の報告 第 2 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)市政について   (4)森林行政について   (5)将来の若者のための市政について   (6)市政について   (7)市政について   (8)長野大学公立大学法人化について   (9)市政について   (10)市政について   (11)市政について   (12)市政について   (13)市政について   (14)動物との共生について   (15)人口減少に対する上田市の移住・定住促進策について   (16)市政について   (17)学校給食について   (18)市政について   (19)合併後10年の歩みと今後の課題について   (20)市政について   (21)市政について   (22)市政について   (23)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1から日程第2(8)まで                                              出席議員(30名)    1番   林     和  明  君     2番   佐  藤  論  征  君    3番   山  田  英  喜  君     4番   成  瀬     拓  君    5番   松  尾     卓  君     6番   小 坂 井  二  郎  君    7番   金  子  和  夫  君     8番   土  屋  勝  浩  君    9番   松  山  賢 太 郎  君    10番   井  沢  信  章  君   11番   松  井  幸  夫  君    12番   宮  下  省  二  君   13番   原     栄  一  君    14番   池  田  総 一 郎  君   15番   古  市  順  子  君    16番   金  沢  広  美  君   17番   三  井  和  哉  君    18番   下  村     栄  君   19番   西  沢  逸  郎  君    20番   安  藤  友  博  君   21番   尾  島     勝  君    22番   土  屋  陽  一  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   南  波  清  吾  君    26番   久 保 田  由  夫  君   27番   渡  辺  正  博  君    28番   半  田  大  介  君   29番   池  上  喜 美 子  君    30番   深  井  武  文  君                                              説明のため出席した者     市    長   母   袋   創   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     秘 書 課 長   室   賀   久   佳   君     政策企画部長   金   子   義   幸   君     総 務 部 長   宮   川       直   君     総 務 課 長   中   村   栄   孝   君     財 政 部 長   小 野 塚       究   君     財 政 課 長   山   口   武   敏   君     市民参加協働   滝   沢   正   美   君     部    長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   堀   内   英   昭   君     福 祉 部 長   櫻   田   幸   士   君     福祉事務所長     健 康 こども   神   代   芳   樹   君     未 来 部 長     商工観光部長   関       恵   滋   君     農 林 部 長   保   科   隆   夫   君     都市建設部長   清   水   治   彦   君     消 防 部 長   中   島   裕   明   君     丸子地域自治   谷   仲   英   彦   君     セ ン ター長     真田地域自治   高   橋   義   幸   君     セ ン ター長     武石地域自治   渋   沢   俊   道   君     セ ン ター長     会 計 管理者   岩   倉   範   明   君     上下水道局長   峰   村   孝   典   君     教  育  長   小   林   一   雄   君     教 育 次 長   西   入   直   喜   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   片   岡   文   夫   君     事 務 局次長   金   井   浩   一   君     議会担当係長   星   野   陽   一   君     主    査   両   角   啓   之   君     主    査   久 保 田   進   吾   君     主    査   山   崎   哲   規   君          午前 9時30分   開議 ○議長(下村栄君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 諸般の報告 ○議長(下村栄君) 日程第1、諸般の報告を行います。 その後提出のあった請願及び陳情について、事務局長に報告をさせます。 ◎事務局長(片岡文夫君) ご報告申し上げます。 その後受理いたしました請願、陳情は、お手元へ配付申し上げてあります請願文書表、陳情文書表のとおりであります。 朗読は省略させていただきます。 ○議長(下村栄君) 請願及び陳情については、事務局長の報告のとおり、それぞれ所管の委員会でご審査願います。                       ◇ △日程第2 一般質問(1)市政について ○議長(下村栄君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 まず、質問第1号、市政について、小坂井議員の質問を許します。小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) おはようございます。9月議会の最初の一般質問ということで、さわやかにいきたいと思います。よろしくお願いします。 通告に従って市政について順次質問してまいります。今回は信州上田さなだ六文銭プレミアム商品券と上田市の子育て支援についてお伺いいたします。 最初に、7月5日に発売された信州上田さなだ六文銭プレミアム商品券についてお尋ねいたします。当日産業水道委員として各販売場所を回ってみました。6時半ごろアリオ上田店、販売の入り口から映画館の辺まで約200メートル近く並んでおりました。次に、上田商工会議所ですが、玄関に椅子を持ってこられた方、またテントを張っておられる方もおりました。後で聞きますと、駐車場にも並んでおったようですが、行きがけのこともありまして十分な人数確認はできませんでした。それから、次に真田自治センターへ行きまして見させてもらったのですが、ちょっと勘違いしておりまして、真田自治センターではなくて真田商工会ということで、自治センターの東側のガレージの向こうが真田商工会の建物でございまして、そこは確認せずに丸子へ向かいました。丸子自治センターへ着いたのが約7時半ぐらいかと思いますけれども、入り口に交通誘導員の方がおりまして、中には入れませんということで、とりあえず中の待っている市民の状況だけを聞いてまいりました。約300人ほどはおられるのではないかというようなことでお話を伺いました。次に、塩田自治センターへ向かいまして、8時ごろだったと思いますけれども、職員の方が道路の辺まで並んでおりました市民に、ここが最後尾なのですが、もしかしたら購入ができないかもしれませんということを注意を促しておりました。 安倍政権の地方創生政策の目玉である上乗せ分については、国が補正予算に盛り込んだ地域消費喚起・生活支援型の新補助金が充てられております。インターネットで調べましたら、今年度中に全自治体の97%が発行するとのことでございました。プレミアム商品券は各地方自治体や商工会議所、あるいは商工会が地域振興のために発行する商品券ですが、基本的には発行した自治体、商工会議所、商工会に加入している地元の商店、企業でしか使えなくなっているようであります。上田市もそうですが、1万円で1万2,000円分の商品券が購入できます。上乗せ分の10%、20%とする自治体が多いようですが、沖縄県の浦添市では1万円で1万4,000円分が買い物ができるというようにしたところもあったようです。銀行の定期預金の金利が約0.025%前後、10万円を1年定期にしても25円しか利息がつかない現状であります。それがプレミアムつき商品券ですと10万円で2万円、金利20%に相当するわけで、それもたった1日で2万円も得するわけですから、大騒ぎするのも当然であります。 そこで、お尋ねをするわけですが、各上田市で販売をされた場所でのそれぞれの販売額、またそれぞれの販売するに当たっての上田市が各商工会議所や商工会といろいろな今回の販売に当たってのさまざまな報道がされている中で、どのような対応がされたのでしょうか、その経過もお聞きいたします。また、販売終了後に寄せられた市民の声もあったらあわせてお聞かせください。 ○議長(下村栄君) 関商工観光部長。          〔商工観光部長 関 恵滋君登壇〕 ◎商工観光部長(関恵滋君) おはようございます。7月5日に販売いたしました信州上田さなだ六文銭プレミアム商品券につきまして、各販売場所での状況等についてのご質問でございます。ご質問にもありましたように、国では昨年度、景気は回復傾向にあるものの、消費マインドの回復がおくれているということの対策といたしまして、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を創設いたしました。また、この交付金を活用いたしまして市町村が実施します地域における消費喚起策の具体的な取り組み例といたしまして、プレミアムつき商品券の事業が推奨されたところでございます。これを受けまして、多くの自治体におきましてプレミアムつき商品券事業が検討されまして、県内では1自治体を除く全ての市町村で実施がされております。 上田市におきましても、実質賃金のマイナス推移や消費増税の影響を考慮いたしまして、地域内での消費喚起や地域経済の活性化を目的といたしまして、プレミアムつき商品券事業を実施することといたしました。市内3商工団体によりますプレミアムつき商品券事業につきましては、これまでに平成21年、22年、24年の3回実施されておりまして、今回が4回目となります。今回のプレミアムつき商品券は、プレミアム率20%を含めまして、発行総額が7億2,000万円、販売セットは6万セットでございます。その内訳といたしまして、加盟店全てで利用できます1,000円券が6枚、大型店以外の加盟店のみ使用できます500円券が12枚の合計1万2,000円をワンセットといたしまして、これを1万円で販売いたしました。購入できる方は18歳以上の方に限定いたしまして、購入上限はお一人10セットと設定いたしました。 ご質問の各販売所での販売額でございますが、上田商工会議所が2億5,000万円、丸子地域自治センターが1億2,000万円、塩田公民館、真田町商工会館、アリオ上田店イオン上田店がそれぞれ各5,000万円、上田市商工会武石支所が2,000万円、鹿教湯温泉交流センターが1,000万円でございまして、合計8カ所、6億円でございます。 販売方法でございますけれども、過去3回と同様に先着順の方法といたしまして、当日は午前9時からの販売開始といたしました。一番早い方では前日の朝から上田商工会議所前にお並びいらっしゃいましたことから、上田商工会議所では整列用の誘導柵を用意し早目に行列の整理をしたために、特段のトラブルはございませんでした。行列の状況でございますが、最も長い行列となった上田商工会議所では、一時上田第二中学校の周辺まで並びまして、約2,000人から2,500人の方が並んだものと推定をしています。先行して販売いたしました一部の市におきましては、並んだけれど購入できなかった、あるいは販売方法を直前に変更したなどと大きな混乱があったと新聞報道でもございました。これらを受けまして、上田市では購入までに長時間並んだにもかかわらず完売により結果的に買えなかったという事態を避けるために、あらかじめ列の先頭の方から購入額を希望される数をお伺いし、購入枚数分の順番券を配布いたしました。この結果、報道にありましたような大きな混乱はなく、販売開始から4時間後の午後1時前には全ての会場での販売が終了いたしました。購入希望者の確認や適切な行列の整理に加えまして、購入者の皆様が整然とお並びいただいたことで大きな混乱もなく、スムーズな販売業務ができたものと思っております。長時間整然とお並びいただきご購入いただきました皆様のご協力に感謝申し上げたいと思っております。 続きまして、当日の対応ということで、3商工団体との打ち合わせのご質問でございます。プレミアムつき商品券につきましては、上田商工会議所、上田市商工会、真田町商工会の3商工団体が主体となりまして、昨年来市で作成いたしましたプレミアムつき商品券事業補助金交付要領に基づきまして準備を進めてまいりました。また、市と3商工団体とはプレミアムつき商品券事業の円滑な実施を目指しまして、二十数回にわたり打ち合わせや会議を開催しまして、プレミアムつき商品券の課題、事業の進め方、購入限度額や販売方法、会場の調査研究、あるいは対策等を検討してまいりました。特に販売方法を先着順といたしましたことは、前回の実績で売れ残った経過もありますことから、慎重に協議を重ねた上での決定でございます。 当日の対応というご質問でございますが、当日の体制につきましては、上田商工会議所、上田市商工会、真田町商工会の職員やOBのほかに、市内の銀行職員や商店街の役員のご協力、応援をいただきました。また、アリオ上田店イオン上田店では、販売業務を各店舗の従業員の方にもご対応をいただきました。上田市といたしましては、当日の混乱を避けるために、商工課、雇用促進室及び各地域自治センター商工担当職員約15名を会場に配置いたしまして、販売業務の支援を行ってまいりました。 続きまして、当日の対応でございますけれども、購入者の方が相当数お見えになる、そして行列ができること、また時期的に気温が高く、雨が降ることも予想されましたことから、熱中症対策として給水タンクの設置、またできるだけ多くの方が屋内でお待ちいただけるような態勢をとってまいりました。また、上田商工会議所では会場に駐車場がなく、またかなりの数の多くの方が来られ、会場周辺が非常に混雑することが予想されましたことから、上田警察署に商工会議所等の巡回を依頼する中で路上駐車の防止を行いましたが、大きな渋滞もなく、効果があったものと思っております。 販売日当日等に寄せられた声ということでございますけれども、販売方法に関するご意見や各会場の状況などのお問い合わせがございました。また、販売後にいただいたご意見といたしましては、1人の購入限度額を低くし、より多くの市民が買えるようにすべきである、また販売は抽せん方法としたほうがよかった、上田市民が優先的に買えるようにすべきとのご意見がございました。商品券の販売の際はアンケート用紙もお配りし、何を購入したか、どこで購入したか、またプレミアム分をどのように活用したかなどの回答をお願いしているところでございます。これらのアンケートの結果も踏まえまして、プレミアムつき商品券事業の効果を検証し、経済波及効果や商品券事業の課題を整理してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(下村栄君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 事前にそれぞれの団体と二十数回にわたる検討を重ねていただき、さまざまな事例に対処されたというお話をお聞きしまして、安心をいたしました。 続いてお尋ねいたしますが、特に上田市の中で子育て世帯には購入枠を特別に用意したようですが、上田市全体での対象世帯は何世帯ぐらいあったのか、またどのように通知をし、そのうちの何世帯が購入されたのかがもしわかればお聞きいたします。 また、先ほども答弁の中にございましたけれども、販売金額が決まっている以上、全ての購入希望者の市民の方に販売するのは困難だというふうに思います。ただ、私のほうに寄せられました低所得市民の購入ができるような方策は市としてはそれぞれの団体に要請はできなかったのでしょうか、また会議の中にそのような意見はあったのでしょうか、お尋ねいたします。 ○議長(下村栄君) 関商工観光部長。          〔商工観光部長 関 恵滋君登壇〕 ◎商工観光部長(関恵滋君) 子育て世帯の対象世帯数、購入結果等についてのご質問でございます。上田市では今回事業主体でございます3商工団体にお願いいたしまして、信州上田さなだ六文銭プレミアム商品券の販売にあわせまして、子育て世帯への家計支援策も実施をいたしました。具体的には、購入限度額はお一人様10セットということでございますが、子育て世帯につきましては、1世帯についてさらにもう10セットまで購入できるというものでございます。対象となる子育て世帯につきましては、5月末時点で市内に住民登録のある中学生以下のお子さんがいる世帯といたしまして、6月下旬に各世帯主の方宛てに購入上限引上げ券をはがきでお送りいたしました。今回購入上限引上げ券をお送りした子育て対象世帯数でございますが、約1万2,600世帯でございまして、その中で購入上限引上げ券を利用いたしましてプレミアムつき商品券を購入されました件数は1,059件でございました。利用率は約12%、購入者全体に占める割合といたしましては、約20%でございます。購入上限引上げ券を利用いたしまして子育て世帯で20セット購入いただいたと想定いたしますと、金額は合計で2億円となりまして、販売額のおよそ3分の1が子育て世帯の方に購入されたというような推計になります。 また、ご質問の低所得者層への配慮ということでございますが、市民税が非課税の方には、福祉部が行っています臨時福祉給付金制度などもございますことから、市として3商工団体には特別要請は行っておりません。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 次に、発売日についてお尋ねいたします。商品券の発売について、市民からは7月5日というのはいかにも日が悪いと、各種手当が10日、年金が支給されるのが偶数月の15日という実態を考えれば、8月15日以後が一番ありがたかったという声が寄せられました。ただ、先ほども部長の答弁のほうにありましたように、真夏というようなこともありまして、天候の心配もあるわけですが、発売日の設定はどのように想定をし、決定をされたのかをお聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 関商工観光部長。          〔商工観光部長 関 恵滋君登壇〕 ◎商工観光部長(関恵滋君) 発売日の決定ということに対するご質問でございます。この事業の目的であります地域経済の活性化、消費喚起を踏まえた適切な販売日を設定するために、3商工団体と打ち合わせや会議を慎重に検討してまいりました。まず、プレミアムつき商品券による消費喚起効果をより効果的に発揮させるためには、消費の多くなりますお中元、お盆の時期に使用できるようにすること、また6カ月以内という商品券の利用期間の制限がございまして、この中で年末商戦となります12月まで利用できるようにすること、また事業の清算時期が3月末となっておりますので、これらを総体的に検討いたしまして、発行日を7月の上旬、7月5日に決定したものでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕
    ◆6番(小坂井二郎君) 発売日あるいは使用期限等のそれぞれの期限がある中での日にちの設定ということでございました。いずれにしても、上田市民がさまざまな場でこの商品券が使えることを強く望むものであります。 続きまして、上田市の子育て支援についてお尋ねいたします。世界人口の推移を見ますと、先進国ほど人口の減少が進み、発展途上国ほど人口の増加が進んでいる傾向との報告です。世界の総人口は2015年7月時点で約72億7,000万人、全体では1日に20万人ずつふえているというふうに言われております。これは国連の報告でございます。人口の多い国の上位3カ国は中国、インド、アメリカでございまして、日本は10位で1億7,000万人と言われております。昨年中国から長野大学に派遣されている女性講師の話を聞く機会がありました。皆さん方ご存じのように、総人口の93%を漢民族が占めているということで、それぞれの漢民族同士の結婚に当たっては1人っ子政策が適用されました。これは1979年からのことでございます。そのために今の30代から20代の結婚適齢期の世代には男性が多く、結婚に大きな障壁があるとのことでした。女性が少ない上に、結婚することによって女性の家には子供がいなくなると、それぞれの双方に親に扶養義務が発生するということで大変混乱があるようです。日本でも子供である以上、双方の親の老後は心配するわけですが、1人と複数では分担の度合いが違います。 そこで、お聞きをするわけですが、上田市の人口の推移について、今議会に提出された議案第105号の中にもありますが、人口減少対策プロジェクトという中の新聞報道に、平成60年には人口が12万人という見出しがあってびっくりしました。国立社会保障人口問題研究所の推計のようです。上田市として、私はこれだけ子育て支援をしているのに、なぜ人口が減るのだろうと思いました。上田市では人口減少に歯どめをかける取り組みを推進するというふうにありますが、最近の上田市の出生数の増減と将来の予測はどのようになっているのかをお尋ねいたします。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 上田市の子育て支援についてお尋ねをいただきました。出生数の増減の将来の予測でございますけれども、全国的な人口減少、少子高齢化の進展が課題となっている中、国立社会保障人口問題研究所の推計によりますと、上田市の人口も2025年、平成37年に14万2,000人程度まで減少し、2040年、平成52年には12万人程度まで減少すると予測されております。これに対し、現在上田市版人口ビジョンの策定において上田市独自の推計を進めておりまして、子育て支援や仕事の創出、移住、定住促進などにより、国立社会保障人口問題研究所の見込みに一定の歯どめをかける予測をしております。 出生数増減の将来予測についてでございますが、平成26年1年間の出生数は1,189人で、これは合併当時の平成18年と比べても285人下回るなど減少傾向にありまして、今後もさらに減少していくものと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 合併当時に比べて子供さんもどんどん減少しているという実態をお聞きいたしました。少子高齢化が言われて久しいわけですが、上田市の子育て支援における重点課題は何かをお尋ねいたします。また、出産、子育ての環境整備の中で、特に新生児への支援はどのように行っているのかをお尋ねいたします。また、新たな制度において上田市の特徴のある事業はどのようなものかもあわせてお尋ねします。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 次に、子育て支援における重点課題についてのお尋ねでございます。少子高齢化が進む中、核家族化の進展に加え、隣近所の人や地域とのつながりが薄れてきており、子育てをする中で身近に相談する相手がおらず、一人で悩んでしまう方がふえてきております。そこで、家庭における子育ての負担や不安、孤立感を和らげ子育てができるよう、また子供が健やかに生まれ育つよう、妊娠、出産から学童期までの切れ目のないきめ細やかな支援が求められており、安心して子育てができる環境を地域全体で整備していくことが大きな課題であると考えております。 本年4月からスタートした子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、上田市におきましても子ども・子育て支援事業計画を策定いたしましたが、この事業計画では5つの基本目標を掲げ、目標の実現に向けて現状と課題を整理し、重点課題を初めとする基本施策と事業を盛り込み、まずは5年間の計画を定める中で取り組んでいくこととしております。 次に、市で行っております新生児、生まれてから4週間未満のお子さんでございますが、新生児のお子さんへの支援でございますが、妊娠届け時に保健師、助産師等が妊婦の心身の状況や生まれてからの育児環境に関することなどをお聞きいたします。その後出生を確認しましたら、全てのお宅に担当者が家庭訪問をさせていただく新生児訪問を実施し、状況の把握を行います。家庭訪問でお聞きする内容としましては、母子の健康状態や育児の様子、母親に関しては体の状況把握だけでなく、心の健康に関する事項も聞き取りを行い、必要に応じ地区担当保健師の継続訪問、継続相談などの支援につなげております。また、里帰り出産等でお母さんとお子さんが上田市以外に滞在されている場合には、希望により滞在先の市町村の保健師などに家庭訪問をお願いする場合もございます。その後も新生児期から乳児期、幼児期を通じ、各種健診、相談、予防接種など必要に応じた支援を適時適切に行うことによりまして、安心して子育てを行っていただける環境の整備を図っているところでございます。 また、年齢に応じた各種健診等を行う中で、専門的な支援が必要なお子さんもいらっしゃいまして、発達について心配な場合は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理発達相談員などの専門スタッフの個別相談も行っております。 そのほか、実家が遠い、あるいは家庭での育児が不安、産後の肥立ちが思わしくないなどの場合、母親が子供と一緒に入所し、心身の十分な回復を図っていただく子育て支援施設ゆりかごを上田市立産婦人科病院内に設置し、新生児の母子に対する支援を行っております。 新たな制度で上田市の特徴ある事業についてのお尋ねでございます。本年7月から利用者支援事業を実施しております。この事業は、子育て家庭にとって身近な場所で相談に応じ、その個別のニーズを把握して、その家庭に合った適切な施設や事業などを円滑に利用できるように支援いたすというもので、2人の子育て支援コーディネーターを健康プラザの中央子育て支援センターに開設している子育てひろばに配置をいたしました。子育てひろばは、子育て親子が気軽に遊べ、ほかの親子とも交流を図れる施設で、毎日1日平均で70組の親子が訪れて利用されております。子育て支援コーディネーターは設置して2カ月余りであり、まだまだ認知がされていないこと、また子育て家庭の個別のニーズは何げない相談や日常の会話から把握されることも多いことから、現在はひろばを利用している親子に声をかけながら、情報提供や悩み、相談があれば話をお聞きして、保護者の目線に立ったアドバイスに努めております。 子育てについて誰に相談したらいいかわからないという方にも、まずは子育て支援コーディネーターの存在を知っていただくことが重要でありますことから、赤ちゃん手帳と一緒にチラシをお渡ししたり、子育てにかかわっている関係機関等へもチラシを配布するなど周知を図っているところでございますが、今後さらに周知に努めまして、子育てに関することなら何でも気軽に相談できる体制を整えてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小坂井議員。          〔6番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆6番(小坂井二郎君) 子育て支援についての新しい制度についてもお聞きいたしました。特に若い夫婦の第1子についてはよくわからないという中で、身近にそういった専門の支援ができるという存在は大変ありがたいというふうに思っております。 以前週刊誌を読んでおりましたら、ある有名女優でしたが、体型が崩れるから子供はつくりませんと言っておりました。子供を産み育てるのはそれぞれの自由でありますが、子供を産むことは女性にしかできません。なので、子供をつくる希望のある方にはできるだけの支援が必要かと思っております。上田市の多子世帯へのさらなる支援が必要と思いますが、市の考えをお聞きして、質問を終わります。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 子育て支援、特に多子世帯のための施策、今後計画している施策についてお尋ねをいただきました。妊娠から出産、育児までの期間は母親が特に不安を抱きやすい時期でありまして、この時期の適切な子育て支援がもう一人子供が欲しいと思えるためにも大変重要となります。そこで、上田市においてどのような支援が望まれているか、ニーズ調査を今年度実施することにしております。今後その結果を踏まえまして、「子育てするなら上田市で」のキャッチフレーズのもと、妊娠期から子育て期にわたるまで継続的な相談支援を行う保健師など専門職によります母子保健コーディネーターの設置など、子育て支援策の充実に向けて検討してまいりたいと考えております。 多子世帯への施策といたしまして、現在上田市では保育料の減免、放課後児童クラブやファミリー・サポート・センターの利用料の軽減、市営住宅の優先枠制度など、さまざまな支援を行ってきております。特に保育料につきましては、本年度からは新たに同時通園以外の第2子に対する軽減、第3子に対しては、軽減の対象者の拡大や一定の要件を設けて無料化するなど、さらに充実した内容といたしております。また、現在ながの子ども・子育て応援県民会議と市町村が連携、協働して、ながの子育て家庭優待パスポート事業を実施しておりますが、さらに今年度は多子世帯応援クーポン券と多子世帯応援プレミアムパスポート事業をこの10月から新たに行うことといたしました。多子世帯応援クーポン券は、18歳以下の子供が3人以上いる家庭に対して、ながの子育て優待パスポート協賛店舗で利用できるクーポン券を3人目から1人1万円分を配布するというもので、また多子世帯応援プレミアムパスポート事業は、ながの子育て家庭優待パスポートのサービスに加えて、さらなるサービスを受けられるというものでございます。 いずれにいたしましても、多子世帯への支援を初め、子育て支援策の充実は人口減少に歯どめをかけるためにも必要不可欠な取り組みでありますので、今後も国の施策の動向に注視するとともに、県や市民団体とも連携、協力し、地域全体で子育て支援に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小坂井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時02分   休憩                       ◇                                午前10時20分   再開 ○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(下村栄君) 次に、質問第2号、市政について、土屋勝浩議員の質問を許します。土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) それでは、通告に従いまして順次質問をしてまいります。 まず、上田市の健康づくりと生涯スポーツについてお聞きいたします。先日の新聞報道によりますと、日本の健康寿命、つまり健康で自立して過ごせる期間は、男性が71.1歳、女性が75.5歳で、ともに世界一であることがアメリカの研究チームの調査で明らかとなりました。これは日本人として大変誇らしいことであり、次期高齢者の予備軍であります私にとっても将来に勇気と希望が持てる数字であります。しかし、超高齢社会を迎えている日本にとって、社会保障費の増加は最大の懸念事項であり、膨れ上がる医療費、介護給付費を抑制していくためにも、国民を挙げた健康づくりが国家的命題となっています。 上田市でも母袋市長が「健幸都市上田」を掲げ、今年度より新たに健康幸せづくりプロジェクト事業を立ち上げています。その目玉企画として、6月から健康づくりチャレンジポイント制度がスタートしたわけですが、制度開始から3カ月、市民の参加状況はどうでしょうか。また、その告知はどのように行われてきたのでしょうか。 さらに、市民向けパンフレットによりますと、各種検診の受診やイベント参加でポイントが付与されるようですが、市内では官民あわせ多くの健康づくりにつながる取り組みが行われています。どういった要件を満たしたならばポイント対象事業となるのか、その選定基準をお聞かせください。あわせて、この制度が目指す参加者数や対象事業数の目標値についてどう考えているのか、お示しください。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 上田市の健康づくりと生涯スポーツについてご質問をいただきました。最初に、健康づくりチャレンジポイント制度についてでございます。団塊の世代が後期高齢を迎える10年後の超高齢社会を見据え、市民が健康で幸せに暮らせるまち、健康幸福都市の実現を図るため、健康寿命の延伸を目指した新たな健康づくりのステージとして、今年度から健康幸せづくりプロジェクト事業に取り組んでおります。6月からスタートいたしました健康づくりチャレンジポイント制度は、プロジェクト事業の一つとして、また健康づくりに関心の少ない市民へのアプローチ施策として、健康づくりにインセンティブを持たせることにより健康への意識と関心を高め、楽しみながら継続して健康づくりに取り組んでいただく事業でございます。 市民への告知でございますけれども、スタートに当たりましては、キックオフイベントとして、5月に信濃国分寺周辺を歩く市民健康ウオーキングを開催し、6月1日号の広報にあわせパンフレットの全戸配布を行うなど、市民への参加を積極的に呼びかけてきたところでございます。パンフレットにつきましては、市の公共施設を初め、ポイントの特典が利用できる公共の温泉施設や体育施設、また協賛をいただいた民間のスポーツ施設の窓口にも設置をし、より一層のPRに努めております。 参加者につきましては、8月末現在2,400人余で、当初目標として設定した1,500人を上回り、健康社会の実現に向けた取り組みを進めるスマートウェルネスシティ首長研究会に参加している全国の自治体との比較においても、まずは多くの市民に参加をいただいたものと考えております。参加者の内訳は、女性が全体の65%を、年齢別では60歳代以上の方が全体の60%以上を占めております。当初の目標設定におきましては、事業数の目標というのは設定をいたしませんでしたけれども、また進捗状況を見ながら検討していきたいと考えております。今後もポスターを作成するなどPRに努めますとともに、自治会、各種団体の会合に出向きまして、より多くの、特に若い方の市民に参加いただくよう努めてまいりたいと考えております。 対象事業と選定基準でございますが、このチャレンジポイント制度は、高校生を除く18歳以上の市民を対象としておりまして、また市または実行委員会などの主催で、市の職員が直接かかわる3つの分野の事業を対象としております。まず1つ目として、特定健康診査や人間ドック、各種がん検診など17の事業、2つ目として、インターバル速歩教室やウオーキング講座などの健康づくりに関する各種教室やイベント事業でありまして、具体的な対象事業は随時広報等でお知らせしており、6月から8月までに23の事業を対象として実施いたしました。 3つ目としましては、日常生活の中で取り組むウオーキングでございます。ウオーキングは誰でもどこでも気軽に取り組むことができる運動効果が高い健康づくりでありますことから、目標を持って楽しみながら毎日ウオーキングに取り組むことができるよう、1日5,000歩を目標に、地図上で上田城から大阪城までの573キロメートルを約半年間かけて旅していただくといった、上田と大阪を結ぶバーチャルの旅などの事業を実施しております。 対象事業につきましては、まずは気軽に参加して、楽しみながら継続して健康づくりに取り組み、健康への意識や関心を高め、運動習慣を身につけていただくことを目的としておりますことから、身体強化や競技を目的としたスポーツや健康づくりの要素が薄いレクリエーション的な事業につきましては、現在のところ対象事業としておりません。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。まだまだ手探りという感は否めませんけれども、県内でも先駆的な取り組みでありますので、今後も市民の皆様の関心を高めるよう努力をしていただきたいと思います。 次に、ポイントの利用についてお聞きいたします。参加者がためたポイントは、市で運営している日帰り温泉施設の利用券や一部民間のスポーツ施設の特典として利用できるほか、市に寄附をして学校のスポーツ用品購入等の社会貢献にも活用できるということであります。あくまでもポイント利用は健康づくりに関連するものという考え方があるようですが、私はこれでは少し視野が狭いのではないかと考えております。大事なのは、より多くの市民にこの健康づくりチャレンジポイント制度に参加してもらうことではないでしょうか。そのためには公共施設中心の利用ではなく、民間の飲食や物販といったさまざまな分野の事業者を巻き込んだ制度にしていくことが必要です。例えば、対象となる健康づくりイベントで汗を流した後に、付与されたポイントでおいしいスイーツが食べられる、利用者にとっては健康と食という2つの欲求が満たされるわけでありますから、次への参加意欲も増してきます。協力する事業者にとっても、間接的にですが、市民の健康づくりに協力できるわけですから、社会貢献活動として喜びに感じることでしょう。 そこで、お聞きしますが、今後はスポーツ施設以外の民間事業者とも連携を図り、よりこの制度への市民の関心を高めていくべきと考えますが、どうでしょうか。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) ポイントの利用について民間事業者との連携についてご質問いただきました。ポイントの利用方法については、土屋議員のほうからお話ございましたけれども、お話いただきました中に、現在でも民間のスポーツ施設での無料体験を取り入れさせていただいて、スポーツ部門ではありますけれども、民間の施設のご利用いただけるという形をとり始めてスタートいたしましたところでございます。先進地におきましては、商店街でのポイント利用ができるなど消費喚起や地域活性化に結びつけた運用を行っている自治体もございます。ご提案いただきました内容も含めて、今後においてもより一層市民の皆様が楽しみながら健康づくりを続けていただけますよう、参加者への今後アンケートを実施する中でさまざまな声をお聞きして、より効果的な制度の普及に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁をいただきました。 次に、健康づくりに関する庁内の体制についてお聞きいたします。健康づくりと一言に言っても、その視点により多くの課が関係してきます。今回の健康づくりチャレンジポイント制度の主催は健康推進課、一般市民のスポーツを通じての健康づくりはスポーツ推進課、公民館活動を通じての健康増進は生涯学習課、ともに目的は同じなのですが、担当する課が違うため別々の事業として位置づけられます。 そこで、お聞きいたします。私は、健康推進課、スポーツ推進課、生涯学習課等がともに協力し合い、市民の健康づくりの課題に臨むべきと考えますが、現在庁内の連携体制はどのようになっているのでしょうか。 また、健康と年齢は相関関係があるようです。一般的に高齢になればなるほど健康を害するリスクが高くなると言われています。今後医療費等の社会的負担を軽減していくためには、運動を通じた高齢者の健康づくりが施策として最も効果があると考えます。私は、高齢者に対しもっと日常的に体を動かす生涯スポーツを積極的に奨励すべきと考えますが、市では高齢者のスポーツ参加に対してどのような支援を行っているのでしょうか。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 市民の健康づくりにつきまして、庁内、健康推進課と生涯学習課、スポーツ推進課との連携の体制についてのご質問でございます。少子高齢化、人口減少社会が進展する中で、生産年齢人口の減少やひとり暮らし高齢者の増加などの課題を踏まえますと、各部局の枠を超えた新たな視点からの健康づくり事業の展開が必要でありまして、さまざまな工夫を凝らして市民の皆様にアプローチをする取り組みをしていくことが今後重要でございます。現在、生涯学習課、とりわけ公民館との連携事業につきましては、公民館主催のウオーキング事業や体力測定、体力アップの指導、転倒予防などを内容としたカラダいきいき健康講座、親子ふれあい広場などに保健師が出向きまして、健康管理や乳幼児を持つ親子を対象に運動などを実施しております。また、スポーツ推進課との連携につきましては、市レクリエーションサポートクラブ員を自治会の健康教室に派遣するなどの連携事業を始めておりますほか、ウオーキング事業につきましては、総合型地域スポーツクラブと連携する中で、市全体のウオーキングの普及を目指して実施しております。 国ではスポーツを通じて国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営むことができる社会の実現を目指すため、この10月1日にスポーツ庁が発足し、厚生労働省など関係省庁とも連携して多様な施策を展開することとしております。スポーツ庁では従来からのスポーツ振興に加えて、スポーツ立国の実現に向けた施策として、地域住民の誰もが参加し、生活習慣病予防や寝たきり防止を可能とするスポーツを通じたまちづくりを目指す取り組みなどを新たに取り入れ、スポーツを通じた健康長寿社会などの創生と地域の活性化を目指すこととしております。 今後こうした国の動きの中で、健康づくりに関係した部署におけるより連携した事業の推進が求められますので、健康推進課では市内公民館及び市内スポーツ関係団体と理念を共有する中で、お互いに連携をとりながら事業の推進に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 特に高齢者の生涯スポーツ参加について市の考えはということのご質問いただきました。年齢や性別、障害の有無にかかわらず、誰もがいつまでも気軽にスポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現が求められておるところでございます。上田市では平成23年に策定しました上田市スポーツ振興計画に基づき各種の政策を行っておるところでございます。 高齢者の生涯スポーツ参加につきましては、高齢者の健康づくりと親睦、交流を目的に、シニアスポーツ推進事業として毎年6月にシルバースポーツ大会や、また1月から2月にかけてはシルバースポーツ教室を市内8会場で開催しております。そのほかにもシニアゴルフ教室でありますとか、市民総合体育大会においてはゲートボール大会なども開催しておるところでございます。 また、上田市では市民のレクリエーションや軽スポーツ活動の振興を図るため、学校や地域等の依頼に応じてその活動に適した人材を派遣する制度といたしまして、上田市レクリエーションサポートクラブ制度がございます。この制度を活用し、健康推進課との連携によりクラブ員を各自治会に派遣し、高齢者向けに軽スポーツなどを行いながら健康教室を開催しておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。 次に、生涯スポーツ団体への支援についてお聞きいたします。現在上田市体育協会の名簿を見ますと、多くのスポーツ団体が加盟し、各地で活動を行っています。子供からお年寄りまで参加できる生涯スポーツは、趣味や楽しみといった側面がありますが、最近は健康づくりの面での効果が期待されています。 そこで、お聞きしますが、高齢者の加入割合と一定の基準を満たした生涯スポーツ団体には、体育施設の会場使用料や夜間使用料を減免するなど、従来からの支援策にさらに拡充を図り、高齢者が経済的にも気軽に参加できるような環境を整えるべきと考えますが、どうでしょうか。また、こうした高齢者中心のスポーツ団体を通じて特定健診の案内やイベントの告知をすれば、健康づくりへの啓発活動として効果的と考えますが、どうでしょうか。さらに、今回始まった健康づくりチャレンジポイント制度と同じように、生涯スポーツの分野でも市民が楽しく参加できるような独自のポイント制度を創出することはできないか、以上お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 3点ご質問いただきました。私のほうからは、高齢者の加入割合と一定の基準を満たした生涯スポーツ団体への減免についての考え方、また新たなポイント制度を生涯スポーツの分野に広げていくことについてご答弁をいたします。 現在の減免規定におきましては、上田市、一般財団法人上田市体育協会、総合型地域スポーツクラブ等が主催するスポーツ事業、市内保育園や小中学校の授業、及び小中学校体育連盟、上小高等学校体育連盟の主催事業におきましては、施設使用料及び電灯使用料を100%減免しております。また、社会福祉協議会や老人会などの社会福祉関係団体、公民館や育成会などの社会教育団体、及び自治会などの公共的な団体におきましても使用料の減免の対象としておるところでございます。スポーツ施設利用に当たりましては、現在の減免規定におきましても老人会などと重立った団体は既に減免対象となっておりますことから、高齢者加入率の高いスポーツ団体に特化した減免措置については現在のところ必要がないと考えております。 続けて、新たなスポーツ制度を生涯スポーツ分野に広げたらどうかとのご質問でございます。スポーツになじみの薄い人がスポーツを始める動機づけの一つとして、上田市健康づくりチャレンジポイント制度は大変有効なものと考えております。本年6月から始まったポイント制度の対象事業として、教育委員会関係では、武石地域のウオーキングイベントや、これから10月に行われます上田古戦場ハーフマラソンなど、スポーツイベントを対象事業といたしました。今後におきましても、スポーツを始めるきっかけとなるスポーツ教室等についても健康チャレンジポイント制度の対象とすることを検討するなど、現行制度の活用に努めてまいります。その実績、効果を把握した上で新たなポイント制度については導入の必要性等検討してまいりたいと考えております。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 私からは、生涯スポーツ団体を通じた健康づくりへの啓発活動についてお答えさせていただきます。 今後健幸都市の実現に向けては、厚生労働省の調査から、健康づくりに関心のないとされる約7割の方に対していかに関心を持って健康行動に結びつけていただくかが課題でありまして、このためには人と人との触れ合いの中でコミュニケーションを通じて市民一人一人が健康づくりへの意識や関心を高めていくことも大変重要であると考えております。健康への意識が高い生涯スポーツ団体を通じて、広く地域の皆様に健康づくりの呼びかけをしていただくことは大変有意義で効果が高いと考えられますことから、この6月には市の体育協会やスポーツ推進委員会などのスポーツ関係団体と連絡会議を開催し、健康づくりに向けた今後の連携や取り組みなどについて意見交換をさせていただいたところでございます。今後につきましても、あらゆる機会を捉え、健康づくり推進のための取り組みについて、市の庁内における連携はもとより、さまざまな団体や企業、地域の皆様とお話しさせていただく場を設けながら、また全県的な取り組みとして県が進めております信州エースプロジェクトとも連携をして市民の健康づくりへの機運を高めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。 次に、介護支援ボランティアポイント制度の導入についてお伺いいたします。先日厚生委員会で徳島県鳴門市を訪問し、介護支援ボランティアポイント制度の取り組みを視察させていただきました。この制度は、介護現場でのボランティア活動に対してポイントを付与し、ためたポイントは介護保険料の割り引きや地域商品券として使えるというものであり、平成26年度末の時点で全国260を超える自治体が採用しています。勤務時間や勤務場所などに関してボランティアと介護施設側との間にミスマッチが生じやすい等の課題はあるものの、介護専門職の業務の軽減やボランティア本人の生きがいづくりに寄与しており、おおむね好評であるとの説明がありました。この問題については、平成21年6月議会で池上議員が、平成22年9月と24年6月議会では堀議員がそれぞれ質問をされており、その都度理事者側からは導入について慎重な答弁がなされてまいりました。 しかし、今は大きく時代背景が変わってきたように思います。ことしの4月に介護保険法が改正され、介護予防は市町村の独自事業に位置づけられることとなりました。介護専門職が不足している現在、地域で介護を支えるボランティアスタッフの育成は急務と言えます。まさに介護支援ボランティアポイント制度は市民の介護への関心を高め、支援する体制を整備する上で絶好の機会になり得ると考えます。今回私の一般質問の副題は「市民の健康づくり」としていますが、この介護支援ボランティアポイント制度は、ボランティア本人の生きがいづくりのほかに、活動を通じた自身の健康づくりに寄与するものと感じています。そこで、あえてこの場でもう一度市の制度導入の考え方についてお聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 櫻田福祉部長。          〔福祉部長 櫻田 幸士君登壇〕 ◎福祉部長(櫻田幸士君) 介護支援ボランティアポイント制度の導入につきましてご質問いただきました。昨年度介護保険法が改正されまして、10年後の2025年度までの地域包括ケアシステム構築に向け、多様な生活支援と介護予防の推進を目的といたしまして、2017年4月、平成29年4月までには全ての市町村が新しい介護予防・日常生活支援総合事業を導入することとなっております。この市町村が主体となって進める新しい介護予防・日常生活支援総合事業では、高度な専門性を必要としない生活支援や地域の介護予防活動につきましては、高齢者や住民、NPO、ボランティアなど多様な主体によるサービス支援基盤を構築することで在宅の高齢者を支える基盤を強化することを目的としております。住民の皆様などを主体とする取り組みがおっしゃられるとおり今後ますます必要となってくるため、その支援方法につきましては、市として現在検討を進めているところでございます。 その一つの手法として、地域の介護予防支援活動がございます。例えば、10年を超えて介護予防活動を実施してきた地域におきましては、時間の経過とともに見守りやごみ出しの地域の支え合いボランティア活動へ成長してきたという報告もございます。そうした中で、市では今年度から新規事業といたしまして、地域リハビリテーション活動支援事業をスタートさせました。これは、地域での介護予防の活動を支援するため、指導員を派遣する事業でございます。また、今年度から生活支援に対する、これも新規事業として、高齢者の皆様が新しい介護予防・日常生活支援総合事業対象者に対して生活支援サービスに参加していただけるよう、現在シルバー人材センターと協力して訪問型サービスを立ち上げることを予定しております。 いずれにいたしましても、地域包括ケアシステムを実現するためには、議員ご指摘のとおり、地域の皆様による介護支援への参加の推進は必要不可欠でございます。ご質問の介護支援ボランティアポイント制度の導入もまたその手法と考えておりますが、今回の介護保険法の改正に伴いまして、住民参加による地域の実情に応じた生活支援、介護予防を支えるための新しいサービスの提供につきましては、まずはただいま申し上げた事業を中心に据えておりまして、現時点では介護支援ボランティアポイント制度の導入につきまして具体的な検討には至っておりません。 しかし、今後国が市町村に実施を示しております生活体制整備事業の中で協議体を設置し、地域にどのような資源が必要かを検討する中で、介護支援ボランティアポイント制度につきましても、先進例も参考にしながら議論を深めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。 これまで生涯スポーツや介護ボランティア等に着目をして健康づくりについて質問してまいりました。高齢者のスポーツ参加やボランティア活動による生きがいづくりが進めば、その結果、医療費や介護給付費といった社会保障費全体の削減効果が期待できます。これからは事業単体のコストではなく、財政効果を俯瞰的に見ながら取り組みが進められることを期待いたします。 次に、上田市の電気柵事故防止への対応についてお聞きいたします。去る7月19日、静岡県西伊豆町で敷設されていた有害鳥獣防除の電気柵に接触し、川遊びをしていた7人が感電、うち2人が死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。通常販売されている電気柵ではこのような事態になることはないようですが、事故発生が水辺であったこと、そして電気柵所有者による違法改造があったことなどが惨事を引き起こす原因となったと言われています。上田市でも西伊豆町と同じように、シカやイノシシから農作物を守るために多くの電気柵が敷設されており、決して他人事とは言えない状況にあります。 そこで、お聞きいたしますが、一般市民が有害鳥獣防除の電気柵を設置するための基準はあるのでしょうか。また、市として市内の設置件数をどの程度把握できているのでしょうか。さらに、西伊豆町の事故の後、上田市では市内の電気柵設置者に対してどのような対応をとってこられたのでしょうか。また、今回の事故の際に指摘された違法改造や違法設置の現状は確認できたのでしょうか。 以上、お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 有害鳥獣防除の電気柵設置における基準、また市内の設置件数、静岡県で発生した事故を受けての上田市の対応、また現在市内に設置されている電気柵の状況等についてご質問いただきました。議員からご紹介ございましたとおり、静岡県で大変痛ましい事故が発生いたしました。事故の原因となった電気柵は、市販品等基準に適合したものではなく、設置者みずからが電圧を増幅させることができる変圧器などの部品を組み合わせて作成したものでございまして、漏電遮断器などの安全装置及び危険表示看板は設置されていなかったことが判明しております。また、通常の電気柵は電流制御装置によって短い間隔で電気を流すパルスタイプになっておりますが、事故を起こした電気柵につきましては、この装置も設置されていない状態で、家庭用の100ボルト電源を直接電気柵に接続して電気を流し続けるものとなっておりました。 まず、設置基準についてでございますが、電気柵の設置に当たりましては、国が定めます鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための施策を実施するための基本的な指針、この指針におきまして電気事業法、電気用品安全法などの関係法令の規定に基づく安全基準により安全の確保を図ることとされておりまして、長野県におきましてもこれを受けた獣害防止用電気柵導入基準、これによりまして指導がなされておるところでございます。 電気柵設置の場合、電気事業法に基づく省令で、家庭用コンセントなどの商用電源から直接通電することは禁止されております。ただし、電気用品安全法の技術基準に適合しておりますことを示すPSEマーク、このマークのついた電源装置への接続と、人が簡単に立ち入れる場所では漏電遮断器を設置することにより、商用電源や電圧が30ボルト以上の電源を使用することが可能となっております。また、周囲の人にわかりやすいように危険表示を行うことも法令で義務づけられております。 このように電気柵につきましては、電気事業法等に基づく規制はございますが、適正に使用すれば大切な農作物を野生動物の被害から守る有効な手段でありますことから、全国的に普及しております。 次に、市内の電気柵設置件数についてのご質問でございます。市では有害鳥獣による農作物等への被害を防止するため、電気柵を初めとする防護ネット、金網等の防護施設に対して補助金を交付する要綱を新市合併後の平成19年度に、補助率10分の3以内で、限度額は7万円と統一しております。この市の補助金を利用して設置いたしました平成19年度以降の電気柵の設置状況は、上田地域は100件で、延長24キロメートル、丸子地域は25件で、延長7キロメートル、真田地域は120件で、延長27キロメートル、武石地域は15件で、延長4キロメートル、合計で申し上げますと260件、延長は62キロとなっております。このほかに広域的に防護することを目的とし、国庫補助事業を利用した電気柵が武石地域に3件、延長8.5キロメートルにわたって設置されております。 このように市及び国が補助金を交付いたしました電気柵の設置状況等につきましては把握が可能でございますが、一方、乾電池や太陽光発電を主とした電気柵がホームセンターやインターネット等で廉価に販売されていること、また中には今回の事故のように自分で制作することも考えられますことから、市内の全ての電気柵の設置件数について把握することは困難な状況でございます。 次に、静岡県における事故後の上田市の対応についてでございます。この事故は7月19日に発生し、翌7月20日に報道されております。上田市では事故の全体像がおよそ判明いたしました報道翌日の7月21日から4日間、まず市内各所の有線放送によりまして、電気柵設置者に対して、決められた電源装置の使用、漏電や配線の確認、また危険表示の設置の安全確認について呼びかけを行いました。同じく7月21日付で、市の補助を受けました260件の電気柵設置者に対しまして、漏電はしていないか、配線に異常はないか、危険看板は設置しているかなどの安全点検の実施を依頼する文書を送付しております。その後、8月1日付自治会回覧によりまして、電気柵設置者に対しては安全点検の実施を依頼するとともに、一般市民の皆様向けとして、電気柵付近では遊ばない、近づかないなどの注意喚起を行いました。あわせて8月16日号「広報うえだ」にも同様の趣旨の文章を掲載したところでございます。さらに、7月下旬から8月中旬にかけて、市の補助を受けて設置した電気柵260件のうち、大規模なもの79件及び国庫補助により設置した武石地域の電気柵について、職員が現地を調査しております。この結果、個人が設置した電気柵において危険表示がされていないものが6件ございましたので、設置者に指導したところでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員。          〔8番 土屋 勝浩君登壇〕 ◆8番(土屋勝浩君) 答弁いただきました。目立った違法改造等もないというようなことで安心をしているところでございますけれども、今後ともやはり電気柵による事故防止、市としても心がけていかなければいけないと感じております。 そこで、市が電気柵設置者に対して補助金を出す場合は、積極的に安全講習の受講や定期点検の実施等を指導していくべき、そう考えるわけですけれども、どうでしょうか。また、現在特段用意されていないようですけれども、安全に利用するための啓発資料、こういったものも必要だと思います。早急に作成をして、申請者、それから既存の設置者に対して配布することは可能かどうか、お聞きいたします。さらに、市が把握していない電気柵設置者に対しても十分な安全指導が必要となると思います。今後はJAやホームセンターなど民間の販売店とも連携し、安全確保のための取り組みを実施すべきと考えますが、どうでしょうか。 以上お聞きし、私の最後の質問といたします。 ○議長(下村栄君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 現在、国、これは農林水産省、また経済産業省でございますが、間もなく統一した啓発や指導が全国的になされるとお聞きしております。 市の対応でございますが、私どもはまず7月末にホームページ上で注意喚起などを行いましたが、また農水省あるいは経産省による啓発指導が出ましたら、この内容もホームページに掲載してまいります。また、今議員がおっしゃいました電気柵を設置する市民、この皆様には補助金の交付時に文書によりまして適切な啓発指導を行う、そして設置者みずからが安全に対する高い意識を持てるようにしてまいりたいと考えております。なお、市では把握し切れないケースもございますことから、安全指導におきまして、市内の各種販売店、あるいはまた農協さんなどとともにも連携を図ってまいります。 いずれにしましても、市民の安全、安心の確保を最優先に考え、議員ご提案の趣旨を生かした取り組みを早急に行ってまいります。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 土屋勝浩議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時04分   休憩                       ◇                                午前11時20分   再開 ○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)市政について ○議長(下村栄君) 次に、質問第3号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) 今回私からはうえだ発達支援事業についてと中学校朝部活動について、通告のとおり順次質問を進めてまいります。 まず初めに、うえだ発達支援事業についての質問でございます。平成22年6月にひとまちげんき・健康プラザ内に開設いたしました発達相談センターでは、発達障害と診断される子供や、そのほか疑いのある子供、そしてその親に対する相談業務が行われております。子供の発達障害につきましては、一説によりますと、ぜんそくの子供よりも発達障害の子供のほうが多いとも言われており、全国的にも発達障害と診断される子供、発達障害の疑いのある子供が増加傾向にあります。 そのような状況下で、上田市の発達相談センターの相談件数については、開設の平成22年においては506件、開設年の平成22年につきましては6月からの数字でございます。平成23年600件、平成24年1,073件、平成25年954件、昨年平成26年に至っては1,399件と、開設以来最も多い相談件数となっております。 この発達相談センターに関し、私の身近で起きた一例をお話しいたしますと、当時中学生であった子供が、先生や友達とのコミュニケーションに悩み、登校に対しても消極的になったことから、親御さんが子供の発達障害の疑いがあるのではないかと悩み、発達相談センターに相談をいたしました。その際親御さんは自分の子供が発達障害ではないかという心配をするとともに、自分の子供が発達障害ではないかという事実を受け入れなければならないのかと非常に悩んでいらっしゃいました。相談に当たったスタッフの皆さんは、親御さんが涙を流しながら話をしていたとき、同じように涙を流し相談に乗ってくださったそうです。スタッフの皆さんがこのように心の通った、子供に寄り添った相談と支援をしてくださったことから、この子は現在高校生となっておりますが、高校進学をきっかけに立ち直り、学校も休むことなく通い、学業、部活動に一生懸命取り組んでおります。 今回の質問に際し私は他自治体の状況も調査いたしましたが、これだけの優秀なスタッフを有する同様の施設はなく、私はこの発達相談センターは上田市の誇るべき支援施設であり、日本一の先進施設であると確信しております。発達相談センターのこれまでの相談実績の伸び、そして何より発達相談センターの献身的な支援の功績が非常に大きいことから、今後も発達相談センターの相談件数が増加することが見込まれる状況であります。そこで、心配になりますのが今後の発達相談センターの支援と運営がこれまでどおり維持されるかであります。そこで、まず3点お伺いいたします。 1点目として、昨年度相談件数が開設以来過去最高となり、相談内容も多様化していることが推察されますが、状況はどうであったか。 2点目として、相談件数の増加と多様化にどのように今後対応していくのか。 3点目として、相談件数の増加、多様化への対応として、発達相談センターの職員体制の強化が急務であると考えますが、職員増強など職員体制強化の考えはないか。 以上3点をお伺いいたします。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 発達支援事業についてご質問を何点か頂戴いたしました。最初に、発達相談センターの状況から答弁させていただきます。 上田市では発達障害を早期に発見し、子供の成長段階に合わせた一貫した支援を行うとともに、保護者への早期支援を行うため、ひとまちげんき・健康プラザ内に発達相談センターを開設しておりますが、相談件数は平成22年度に開設して以来年々増加しておりまして、議員お話しのように、平成26年度には1,399件と、開設時のおよそ3倍近くとなっております。相談の内訳は、小学生の発達障害に係る相談が661件と最も多く、次いで乳幼児が339件、幼稚園、保育園の園児が245件、中学生が118件などとなっております。保護者の中には子育てに困難さを感じていても、核家族化、少子化が進む中、身近に子育てについて相談する相手がいない場合や、どこに相談すればよいかわからないまま保育園や幼稚園に入園し、子供が集団生活をするようになって初めてほかの子供との違いに気づく例も少なくなく、早期発見が困難なものとなっております。また、早期に親が違いに気づいても、子供の障害を親が受け入れられず、医療の受診に結びつかないケースや、中には親も発達障害の傾向が見受けられる場合もあるなど、子供とあわせて保護者に対しても支援が必要なケースもございます。このため相談内容も複雑化してきており、専門的な立場からの早期発見、早期支援により、子供の特性を親や周囲が理解した上で、できる限り早期からの適切な支援が求められております。 次に、相談件数の増加と多様化にどのように対応していくのかというご質問でございます。発達相談センターでは18歳までの子供を対象に、保護者からの相談をメーンに応じておりますが、相談を受けた場合、そのお子さんが実際に発達障害があるかどうか、その見きわめが重要となりますので、臨床発達心理士など専門職による検査、観察、面接を行いまして、子供の発達の現状や問題点を明らかにしてまいります。そして、発達障害の子供の特性に応じて短期、長期目標の設定を初めとした対処方法を立案し、作業療法士、保育士による親子教室など遊びを通した発達支援を行うとともに、専門的な立場から保護者のほか支援者となる幼稚園、保育園、小中学校、高校等、児童生徒にかかわる関係者に対しましても助言、指導、援助等を行っております。相談件数の増加とともに支援も長期にわたる場合が多く、子供の健やかな成長のためには、家庭ばかりでなく、幼稚園、保育園、小中学校、さらには高等学校までと、子供の成長に合わせ関係機関との連携を図ることも欠かせないものとなっております。このため、関係者による連携会議を毎月定期的に開催して情報共有に努めるとともに、保育士、幼稚園教諭などの資質向上に向けた研修や保育園などでの巡回指導、学校での就学相談などを行い、障害を早期に発見し、適切な保育や教育のための支援に努めておりますが、今後も十分な連携のもと、子供の成長段階に応じた切れ目のない支援に努めてまいります。 次に、職員体制の強化の考えについてのご質問でございます。発達相談センターでは発達障害の相談に対して適切に判断、対応できるよう、臨床発達心理士、作業療法士、保健師、保育士等多くの専門職を配置しております。センターの職員体制は、正規職員がセンター長以下4人で、いずれも子育て子育ち支援課の業務を兼務しております。このほか嘱託職員の臨床発達心理士が2名、パート職員の作業療法士、保育士がそれぞれ2名ずつ、合計10人の職員体制でございます。 それぞれの役割でございますが、臨床発達心理士は主に1歳半ごろから青年期の子供を対象に、また作業療法士は主に生後4カ月ごろから学童期を中心に必要に応じて検査を行いながら、運動発達や精神発達等の発達段階を確認し、保健師とともに家族や幼稚園、保育園、小学校などの支援者に対し助言、指導を行います。また、保育士は子供と遊ぶ中での発達段階の評価や発達に心配のある就園前の子供とその親を対象にした親子教室での集団指導などを主に担当しております。 発達相談センターがその期待される役割としての相談業務や支援を円滑、適切に行うためには、それぞれの専門職による役割分担、連携が必要であり、今後さらに増加が見込まれる相談に適切に対応できますよう、これら専門職を確保していくことが職員体制の強化にもつながっていくものと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) それぞれご答弁をいただきましたが、やはり業務のほうは非常に複雑化し、長期化しているというお話でございました。職員体制につきましては、専門職を確保しながらということをお答えいただきましたけれども、これらを踏まえまして、先ほどからご答弁にも何遍か出ておりますけれども、非常にこのセンターの中でも重要な重責を担っていらっしゃる臨床発達心理士について3点お聞きいたします。 まず1点目といたしまして、現在上田市においては2名の臨床発達心理士が発達相談センターに在籍しております。臨床発達心理士のお二方は、経験も豊富な上、子供、その親に対して寄り添った支援をすることから、相談される方からの信頼も非常に厚い状況であります。これだけの市民の皆さんへの貢献度が高いお二方ですが、現在嘱託職員であります。勤務時間などの面からも正規職員、専門職として活躍していただく必要が高いと考えますが、臨床発達心理士の正規職員、専門職としての必要性の見解はどうか。 2点目といたしまして、将来にわたりこの発達相談センターを高いレベルで維持するのに当たり、経験豊かな臨床発達心理士お二人の後継者となる臨床発達心理士の育成が必要不可欠である上、経験豊かな臨床発達心理士お二人のもとで実務経験する必要があり、早期に後継者を採用し、育成することが急務であると考えます。 しかしながら、臨床発達心理士につきましては、現行大学院で学ばなければ取得できない上、全国的にも取得者が非常に少なく、上田市においても現在新規採用の募集を行っているところでありますが、採用に至っていない状況であります。また、ほか自治体におきましても人材確保に非常に苦慮している状況であり、地域間の人材確保に向けた競争も非常に激しくなっている状況です。上田市の募集要項を見てみますと、現在嘱託職員としての採用募集であります。新卒者などについてはやはり正規職員としての採用希望が多いことは明らかであり、人材確保の難易度を上げているものと考えます。加えて、周辺自治体では正規職員として募集、採用しているケースもふえており、上田市での人材確保がさらに難しくなっている状況です。また、嘱託職員での募集のため、勤務時間については午前9時から午後4時までとなり、相談件数がふえている状況下において実態に即していないようにも思われます。嘱託職員として採用後、実績を積んだ上で正規職員へ登用する考え方もあるでしょうが、やはりこの状況下では臨床発達心理士の新規採用について、正規職員として募集、採用する必要が非常に高い上、急務であると考えますが、正規職員としての募集、採用する考えはございますでしょうか。 3点目として、人材確保は先ほど申し上げたとおり非常に難題でありますが、お隣の青木村においては、人材確保のため教育長が資格取得者の在籍する大学へみずから出向き、本人に直接勤務をお願いし、住居も村が用意した上人材を確保されたそうです。上田市においても人材確保に向け知恵を絞り取り組む必要が非常に高いと考えますが、臨床発達心理士の人材確保についての今後の方針はどうか、お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 次に、臨床発達心理士についてご質問いただきました。最初に、正規職員としての必要性の見解についてでございます。子供の社会性の発達や精神発達段階を確認し、適切に判断するためには、各種の発達心理検査等により子供の状態を観察することが重要でありまして、その特性に合わせた支援、対処方法の検討においても発達心理の専門知識を有した臨床発達心理士は発達相談センターにおいて大変重要な職務であると認識しております。今後さらに相談件数の増加が見込まれ、長期にわたって発達障害の子供やその家族を支援していくケースもふえていくと考えられることから、その子供や家族に対して適切かつ継続的に支援が行われるような組織体制とするためには、臨床発達心理士などの専門職の確保は大変重要なことと考えております。 次に、臨床発達心理士を臨時ではなく正規職員として採用する考えについてでございます。年々増加し、また複雑長期化する相談に対応するため、現在も非常勤としてではありますが、臨床心理士、臨床発達心理士について募集を行っております。子供の成長段階に合わせた継続的な支援が行われるような組織体制とするためには、臨床発達心理士を正規職員として募集することも重要であると考えております。大学院を卒業してからでないと資格を取得できないことや、新規で採用しても相談業務などについて一定の経験が必要なことなど課題もございますので、採用方法につきましては、他市の状況なども研究しながら、正規職員の確保につながるよう早急に検討してまいりたいと考えております。 次に、臨床発達心理士の人材確保についての今後の取り組みについてでございます。発達障害について広く認知されてきた現在、臨床心理士や臨床発達心理士は教育、保育、健康増進などさまざまな分野での活躍が期待されておりますが、心理職につく学生はそう多くはないと伺っております。希少な専門職である臨床発達心理士などの人材確保のためには、大学との連携を密にすることも重要と考えておりまして、市といたしましてもこれまでも上田にゆかりのある大学教授に直接お会いして人材確保のお願いをするとともに、信州大学教育学部や上越教育大学などに職員がお伺いし、それぞれの就職担当の方に学生の進路状況をお聞きし、また当市の状況もご説明させていただいたところでございます。臨床心理士、臨床発達心理士として活躍するためには、資格取得後も多くのケースにかかわり、実践を通して学ぶ必要があります。幸い上田市の場合、議員ご指摘のとおり2人のベテラン臨床発達心理士の指導によりさらにレベルアップを図り、その貴重な専門知識を生かしたノウハウを引き継いでいくことが可能であろうかと思います。 いずれにいたしましても、今後発達障害の対応に当たりましては、適切な支援が継続して行える体制が整うことにより、子供たちやその保護者も家庭や学校などで明るく、希望を持って生活を送ることができますので、関係機関との連携も含めた支援方法、技術を引き継いでいくことができますよう、臨床発達心理士など専門職の確保についても鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) 臨床発達心理士につきましては、卒業後の取得ですとか経験などが必要ということで、非常にやはり人材確保は難しいとのことでございます。そうは申しましても、一日も早い人材確保が重要であります。また、臨床発達心理士はもちろんですが、発達相談センターの人材確保、人材育成は今後上田市にとりまして大変大きな課題になることは明らかであります。私も今後この日本一の発達相談センターの人材確保と人材育成に注視していきたいと考えているところでございます。 次に、発達障害に対する学校現場での取り組みについてお聞きいたします。まず、取り組みの状況について2点お聞きいたします。先ほど私の身近で起きた事例をご紹介いたしましたが、この子が発達障害の疑いがあるかもしれないと指摘を受けたのは学校の担任の先生からでした。先生も何ら悪気がなかったのでしょうが、不用意におたくのお子さんは発達障害があると思いますと担任の先生が言ったことにより、本人以上に親御さんが悩まれ、精神的にも非常に追い込まれた状態でありました。結果的には発達相談センターのスタッフの皆さんの支援とご努力により、よい方向へ向かいましたが、当時は見るにたえない状況でありました。発達障害の取り扱いについては、学校あるいは教職員のちょっとした言動、行動が子供や保護者に大きな影響を与え、場合によっては悪い方向へ向いてしまう可能性が非常に高いことは明らかであります。 そこで、1点目として、発達障害の疑いのある児童生徒への対応について、現状どのように対応することとしているか。 2点目として、対応について市内各学校や教職員同士で統一が図られているか、お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 発達障害及びその疑いのある児童生徒についてどのような対応がされているかというご質問でございます。発達障害及びその疑いのある児童生徒に対する学校現場での対応は、全小中学校に配置されている特別支援教育コーディネーターが中心になって行われております。このコーディネーターが校長、教頭、関係職員で組織される校内委員会を企画、運営しまして、児童生徒個々に応じた支援体制を整えているということでございます。今ご質問にございましたように、保護者にかかわるのは担任が直接かかわる場合が多いため、児童生徒やその保護者に担任の言動が与える影響というようなことは十分大きいということを配慮しながら、専門機関での診断や支援が必要な場合には、学校での様子をお伝えし、また家庭での様子をお聞きし、必要に応じて特別支援教育コーディネーターを加え、医療機関や発達相談センターなどを紹介し、その後も連携を図りながら児童生徒を支援していくと、こんな形になるのだというふうでございます。 次に、市内各学校や教職員同士で統一が図られているかどうかということでございますが、対応の統一についてのご質問でございますが、さきに申し上げました各校の特別支援コーディネーターが県教育委員会が主催する研修会や上小地区に設置された連絡会へ参加しておりますので、その内容を持ち帰りまして、全教職員に対する校内研修会を開催して、情報の共有とともに指導の統一を各学校の中で図っている、こういうところでございます。児童生徒への個々の具体的な対応となりますと、とてもデリケートな問題でありますことから、校内の支援体制のみならず、今申し上げましたように、発達相談センターなどの外部機関との連携のとり方も含め、校内研修の内容の充実を図っているということでございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) それぞれご答弁をいただきました。各学校教職員の中でやはり正しい対応につきまして共有、統一されていることが非常に大切ではないかなと感じるところです。これらの状況を踏まえまして、次の質問に移らさせていただきます。 私は身近な経験から、学校の先生の中でも発達障害に対する見解、理解が必ずしも高いわけではないように感じております。これは、現場の先生を何も責めているのではなく、現場の先生についても学ぶ場が少なかったり、機会がないことが問題ではないかと考えております。発達相談センターでは年に何回か講演会や研修会を行い、もちろん学校へも都度案内を出されているとお聞きしておりますが、学校からの参加は支援学級の先生などが参加されるのにとどまり、現場の先生の参加がないのが現状であります。学校現場の先生に対する発達障害の研修など、児童生徒にかかわる現場の先生の発達障害への見識向上の取り組みが非常に重要であり、必要でありますが、今後の取り組みの考えについてお聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 学校現場の教員を対象とする研修の実施など、発達障害に対する見識向上のための今後の取り組みについての考えということでございます。特別支援教育コーディネーターや特別支援学級の教員は研修会などに参加する機会も多く、比較的理解が深まっていると考えておりますけれども、議員ご指摘のとおり、この問題については新しいことも多く出てまいります。そういう意味で、全ての教職員が学ぶ機会というものが必ずしも多くないと、こんなふうに認識しているところでございます。特別支援教育コーディネーターによる校内研修会の充実は先ほど申し上げましたが、上田市発達相談センターによる研修会など、身近なところで現状行われている研修にも多くの教職員が参加できるような工夫をぜひしてまいりたいと思っているところでございます。 また、定住自立圏事業として小中学校教職員向けの研修会を教育委員会で実施しておりますが、本年度は「発達障がい児の理解と支援」をテーマに開催いたしました。市内158人の教職員が参加いたしました。参加者の感想では、発達障害について学ぶ機会が少なく、貴重であったという声が寄せられておりました。今後も継続してこのような研修について実施してまいりたいと考えております。 ○議長(下村栄君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) 見識は向上しつつあるとのご答弁をいただきましたけれども、まだまだいま一層の向上が必要ではないかなと考えるところであります。発達障害に対する対応につきましては、ご答弁にございましたが、非常にシビアな問題であり、現場の先生方の対応も非常に難しいところであります。毎日子供たちと長い時間接する現場の先生が見識を向上され、発達相談センターの皆さんなどと問題を共有することが非常に大切であります。今後の取り組みにつきまして注視してまいりたいと考えるところであります。 次に、中学校の朝部活動について質問してまいります。昨年6月の定例会一般質問におきまして、私は中学校における朝の部活動について質問いたしました。私の質問に対し、県の指針に従いながら、学校ごとに学校長の判断で決定してくださいと各学校へお願いしたとの趣旨の答弁をいただきました。このことによりまして、学校現場では各学校のそれぞれの学校長の判断の違いにより、朝の自主練習までも部活動の一環とする学校があり、学校内で全く自主練習ができなくなってしまった学校がございます。個人練習をしたい子供たちは学校近くの空き地で個人練習を行うなど異常な事態となっております。自主練習、個人練習の場を奪うことは私は学校現場にあってはならないことだと考えております。信州型コミュニティスクールを推奨する中、市民の皆さんから見ますと、学校を地域から遠ざける行為と捉えられても仕方がございません。そこで、教育長に2点お伺いいたします。 1点目として、県から指針を受け、教育委員会は各学校、各学校長へ判断を委ねたことにより、自主練習の機会を奪い、結果的に自主練習をしたい生徒を学校から追い出すかのような状況となり、地域からの信頼も脅かす事態に陥っておりますが、この事態に対する見解はどうか。 2点目といたしまして、今後部活動を一生懸命やりたい生徒、自主練習、個人練習をしたい生徒に対してどのように応えていくか、お聞きいたします。 ちょうど昨日真田地域で分館対抗の球技大会が行われまして、大勢の中学生も参加しておりました。そのときに知っている子供たちに非常に会ったわけですが、本日困っている子供たちに関することを一般質問で質問すると伝えましたところ、何人かの子供が今回の議会中継を録画しておくと言っておりました。子供たち非常に期待大きいところでございます。部活動に一生懸命に取り組む生徒に向けご答弁をいただきたいと思います。 ○議長(下村栄君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 中学校の朝部活動についての考え方についてのご質問でございます。中学校の運動部の部活動につきまして上田市教育委員会としましては、中学生の望ましい生活のあり方を考えることが重要であるという観点から、長野県教育委員会が示した長野県中学生期のスポーツ活動指針に沿って、地域ごとの事情を考慮し、中学校ごとに具体的なルールづくりをすることといたしまして、昨年の4月から実施しているところでございます。各学校の方針が統一されていないというご指摘でございますが、ただいまご説明しましたように、具体的なルールは地域の事情、例えば通学手段や通学時間、スキーなど季節が限定される種目への対応などを勘案いたしまして、細かい時間設定や部活動のない日をいつにするかなどは個々の学校の判断にすることとしたということでありまして、全ての中学校で県の指針に沿った方針で部活動が実施されているという状況でございます。 今年度の各中学校の朝の部活動について申し上げますと、校舎改築など練習環境が制限され、放課後だけでは活動できない学校を除きまして、朝の部活動は原則行わないこととなっています。ただし、全ての中学校で、特にこの2学期が始まった9月以降、日が短くなって下校時間が早まり、放課後だけでは練習時間が確保できない場合には朝の部活動を認めております。ただし、その場合でも登校時間が極端に早くならないよう開始時間を設定するなど、実態に即したルールづくりをしているということでございます。また、昨年度の反省から、今年度は学校間によってばらつきが見られた1学期の中体連の大会前の朝部活につきましては、上小の校長会で大会2週間前は朝の部活動を認めるという申し合わせをし、取り組んでいる状況でございます。それ以外の朝の部活動は、自主練習であるということであっても全ての中学校で活動を認めておりません。朝の部活動は心身の成長過程にある中学生期において、ウオーミングアップやクーリングダウンの時間が十分にとれない、朝食から昼食までの時間があき過ぎるといった問題も指摘されていることから、中学生の一日のライフスタイルを考えるとき、放課後にまとめて時間がとれる時期はその時間で効果的、効率的な活動となるようにすることが適切であると、こういうぐあいに考えております。また、自主練習ということでありましても、学校教育の一環として行われる部活動は常に安全が確保された状態で行われる必要がありまして、教員不在の状態での生徒だけの活動を学校が認めるということは、生徒の安全を確保する上でも困難であると考えています。 部活動に対する考えはさまざまであることは承知しておりますが、今回の運動部活動の見直しとなった背景には、長時間にわたる部活動により中学生の生活がバランスを欠いたものになっていること、また部活動に熱心に取り組む生徒がいる一方で、部活動への負担感から運動部への加入率が低下し、体力や運動能力の面からも課題が指摘されたということがございます。このような課題について、成長期にある中学生が一日の限られた時間の中で運動、栄養、睡眠のバランスのとれた生活習慣を身につけるために部活動にどう取り組むのがいいか、さまざまな角度から検証し、その方向を示したのが県の指針でございまして、上田市教育委員会としてもこれを尊重し、各学校が部活動を行っていくことが重要であると、こんなふうに考えています。部活動は最終的に学校が責任を持って行うものでありますが、部活動の方針については、今後各学校において生徒や保護者の皆様にこのような趣旨をよくご理解いただくよう丁寧な説明に努めるよう努力してまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤論征議員。          〔2番 佐藤 論征君登壇〕 ◆2番(佐藤論征君) ご答弁をいただきましたけれども、先ほど安全確保というお話がございましたけれども、実際に学校現場において学校のフェンスの外、一歩外では子供たちが自主練習をしているという姿がございます。学校の外ならけがをしてもいいということで市民の皆様にはとられかねません。学校の外でやっているこの事態がもう異常であります。どうかもう少し知恵をお絞りいただきたいと思うところでございます。 また、「子育てするなら上田市で」を掲げる上田市にとって、部活動に一生懸命取り組みたい生徒の気持ちに応えることができないのは非常に私は問題であると考えますし、また健幸都市を目指す上田市にとりましても、中学校の心身の発達、発育についても逆行しているものと考えております。県の指針は過度な練習などによるスポーツ障害などを防ぐ目的の指針であり、単なる部活動の自粛ではありません。まずは生徒の気持ちを第一に考えていただくようにお願いしたいところでございます。 次に、私の昨年6月定例会の質問に対し、中学校朝部活動について、学校ごとの実態調査を行い、実態調査の内容を見て今後また改めて検討していきたいとの答弁もなされました。そこで、2点お聞きいたします。 1点目に、これまでの実態調査はどのような調査が行われ、結果はどうであったか。 2点目に、実態調査の結果をどのように今後生かしていくか、お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 実態調査としてどのような調査が行われたのかというご質問でございますが、部活動の実態調査について、昨年度でございますけれども、部活動の見直しに伴う変化についての実態調査を上小地区8中学校でその生活の変化について中学校2年生、3年生を対象に調査を行ったところでございます。調査の内容につきましては、就寝時間に変化があったか、起床時間に変化があったか、家庭での学習時間に変化があったか、朝食を食べているかという4つの点についてでございます。 この調査の結果について簡単にご説明申し上げますと、就寝時間につきましては、余り変わらないという生徒の割合が7割近くを占めたということでございますが、起床時間は約半数の生徒が30分から1時間ほど遅くなったという回答でございました。それから、家庭での学習時間は、余り変わらないとした生徒が65%ほどでございましたが、約30%の生徒が学習時間が長くなったと回答しております。長くなったとする生徒にどれくらい長くなったかを聞いた質問には、これも30分から1時間ほどとする回答が多かったという結果になっております。朝食については、もともと毎日食べていた生徒が85%ほどいたわけでございますが、朝の部活動がなくなってからは90%を超える生徒が朝食をとるようになったという結果になっております。この実態調査からは、朝部活がなくなったことで朝の時間にゆとりが生まれ、睡眠時間や学習時間、それから朝食をとることができるようになった生徒が増加しているということがうかがえるわけでございます。 また、各中学校の部活動の活動方針については、長野県教育委員会が県内全ての中学に対し調査を行っておりますので、重ねて上田市で調査を行うということはしておりませんけれども、各中学校の調査表の内容を把握することでどのような活動方針となっているか、その都度確認をしております。このほか、学校ごとに生活状況調査なども行っておりますが、先ほども申し上げましたように、中学生のバランスのとれた生活のあり方を大切にすることを主眼に部活動の見直しを行ってきたということであります。学校にはこのルールがなし崩しにならないようにお願いしたいということと、生徒の指導に当たっては、部活動が減って生活がだらだらとしたものになることがないよう、家庭学習の出し方を工夫したり、子供たちがみずからの力で生活を律する力を身につけられるよう指導していただきますよう今後とも学校とともに努めてまいりたいと思います。 ○議長(下村栄君) 佐藤論征議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          正  午       休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○副議長(池上喜美子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)森林行政について ○副議長(池上喜美子君) 次に、質問第4号、森林行政について、松尾議員の質問を許します。松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) それでは、通告に従いまして松くい虫被害の現状と対策についてお伺いいたします。 これまで上田市は県の松くい虫被害対策に基づき松くい虫被害防除対策を策定し、防除対策協議会の承認を得た上で各事業を進めております。上田市の被害は、平成24年度2万345立方、平成25年2万66立方となっており、横ばい傾向が続いております。上田市ではこの松くい虫被害対策事業費として、平成18年度から平成26年度までの市の予算と県、国の補助金を合わせて、合併以来毎年1億5,000万円余の費用を充てております。しかしながら、森林所有者、マツタケ山所有の自治会、農業従事者や観光関連事業者だけでなく、一般の市民目線でも市の松くい虫対策が十分でないと感じているとのことです。そのため、自治会や自治会連合会などから市に対し要望等をしているとお聞きしております。市民はどうして松くい虫対策に不満を持たれているのか、現在の被害状況や松くい虫対策の計画や事業について質問する中で、課題を明確にし、今後の事業につながればと考えております。 そこで、松くい虫防除対策協議会資料に沿って質問をしてまいります。まず初めに、防除対策の概要についてお聞きいたします。 1つ目、長野県の防除指針、推進計画の概要や上田市の計画で定めた地域ごとの方針、松林区分の方針についてお伺いいたします。 2つ目として、樹幹注入についてお伺いいたします。樹幹注入は、薬剤メーカーでは効力は7年としていますが、これまでの事業などから費用対効果はどうか、お伺いいたします。 3つ目として、地上散布は大型の噴霧器を使い、林道から帯状に噴霧し、防除帯を設けるというものですが、守る松林とされる面積のうち、地上散布面積や効果を見込んでいる面積はどれぐらいか。また、施工後の松林の被害状況はどうかお伺いし、第1問といたします。 ○副議長(池上喜美子君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 松くい虫被害対策の関係で、まず防除対策の概要について、県の防除指針と推進計画の概要、また上田市による地域及び松林区分ごとの防除方針について申し上げます。 松くい虫防除は森林病害虫等防除法に基づき実施しておりまして、その目的は、森林病害虫を早期に、かつ徹底的に駆除し、及びその蔓延を防止し、もって森林の保全を図ることにあります。この中で県は防除指針を定めなければならないとされており、県が指定する高度公益機能森林及び被害拡大防止森林以外の森林については、市町村が地区実施計画で地区保全森林と地区被害拡大防止森林、その他の松林の区域を定めるとしております。平成27年度の県の基本方針として、守るべき松林等を明確に定め、薬剤による予防散布や被害木の的確な伐倒駆除、感染源対策としての樹種転換などを有機的に組み合わせ、効果的な総合防除を実施するとされております。 上田市の防除計画でございますが、県の基本方針に基づき作成いたしまして、毎年開催いたします上田市松くい虫防除対策協議会において決定していただいております。まず、地域ごとの方針といたしましては、真田、武石地域は市内における被害の先端地でありますことから、拡大を食いとめるため被害木の全量伐倒駆除を行い、徹底的な対策を実施してきております。また、間伐や樹種転換事業等被害拡大を予防する対策についても、森林所有者の皆様と意見交換を行いながら実施してまいります。上田、丸子地域につきましては、標高の高い地域を除きましてほぼ全域で被害が確認されている状況でございますことから、伐倒駆除を行う地域を被害の先端地付近やマツタケ山及び観光地周辺に絞り、その他の地域につきましては、災害防止や景観保全の観点から間伐、更新伐による松林の健全化及び樹種転換を推進しております。 次に、松林区分ごとの方針でございますが、山林内における対策といたしましては、松林を守るべき松林、周辺松林、その他松林の3つに区分いたしまして対応しております。この中で守るべき松林は、高度公益機能森林、地区保全森林に当たりまして、今後も松林を維持し、保全していくエリアとして伐倒駆除、地上散布、樹幹注入を実施しております。周辺松林は、被害拡大防止森林、地区被害拡大防止森林に当たり、守るべき松林への感染拡大を防止するエリアといたしまして、更新伐、樹種転換を実施しております。最後に、その他松林でございますが、ただいまの守るべき松林、周辺松林以外のエリアでございまして、天然更新が主体となります。 今後の松林区分の基本方針といたしましては、標高1,000メートルを超える松林については、松林の区分から外します。ただし、被害が確認された場合は早期駆除を実施し、松林区分の設定を検討してまいります。被害が拡大し、対策を講ずることができない地域につきましては、被害状況の確認や地域の皆様方と調整を図る中で、その他松林に設定し、間伐、更新伐等の森林整備事業の検討をしてまいります。 次に、樹幹注入の費用対効果についてのご質問でございます。樹幹注入は、毎年自治会等が管理するアカマツ林に対して注入剤を支給する事業と、市が事業主体となりまして公園や史跡あるいは景勝地等のアカマツに対して樹幹注入委託を発注している事業とがございます。昨年度における自治会への注入剤の支給実績でございますが、およそ3,000本でございまして、今年度につきましても同程度の支給を予定しているところでございます。委託事業でございますが、平成21年度から武石公園、丸子公園等で実施してまいりました。昨年度は国分寺史跡公園ほか2カ所について実施いたしまして、今年度は真田氏本城跡等への実施を予定しております。この樹幹注入でございますが、健全なアカマツを守る予防措置といたしまして、木の幹に薬剤を注入するもので、議員おっしゃるとおり7年間の薬効期間があるとされており、その生存率も9割程度であるとされております。平成21年度から24年度にかけまして樹幹注入を実施いたしました武石公園のアカマツ277本でございますが、残念ながら現在までにこのうち17本は枯れましたが、生存率は94%でございまして、その効果が確認できておるところでございます。樹幹注入は同程度の立木の伐倒薫蒸処理と比較しても安価でございまして、予防対策として費用対効果が高いものと認識しております。 次に、地上薬剤散布をした後の松林の被害状況でございます。林道からの地上薬剤散布の範囲は、片側で20メートル、したがいまして両側で40メートル程度でございまして、今年度は6月に林道8路線、合計9.5キロで、延べ面積といたしましては22ヘクタール余りを実施しております。散布した林道沿線は周囲の松林と比べ被害木も少なく、一定の効果が出ているものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 次に、伐倒駆除について4点お伺いいたします。 松くい虫被害発生以来、その対策法として大きな予算を充当されてきました。平成18年の合併以来、松くい虫被害対策費のおおむね90%をこの伐倒駆除事業に充てております。この事業の効率化を図ることが大切だと考えます。 そこで、1として、27年度の計画で守るべき松林と定めた松林の面積4,520ヘクタールの中で、被害木伐倒駆除事業で対象とした地域のここ数年の被害量はどのくらいか。また、被害量に対して処理の割合はどうか。 2として、全量伐倒駆除を行うとした地域の春駆除や秋駆除についてお伺いいたします。真田、武石地域と空中散布を中止した半過、岡、浦野、室賀、東前山地区の60ヘクタールについては全量伐倒駆除を行う計画ですが、今後の春駆除事業の工期や被害量に対する予算額の設定等の妥当性などの要素で検証するとどうか。また、可能な限り早期の着工が課題となる中、例えば4月1日から伐倒作業をするためには、落札業者の資材調達などの準備も考える必要があり、入札時期に対する市の考え方はどうか。春駆除を終えて予算額を使い切ったということも考えられるが、この地域では被害木の残存が目立っております。入札は一般競争入札で行っており、適期に作業終了を実現するためには、事業者の動員力や処理能力等の要素が考えられるが、入札業者の選定に当たり基準はあるのか、市の考え方はどうか、あわせてお伺いいたします。 その他の伐倒駆除を行う地域として、マツタケの産地、観光地、被害の先端地としての西内、平井、東内、また浦野、塩田、小泉、砥石・米山城周辺などの地域が挙げられています。どのような対策を行ったのか、スケジュールや事業の具体的な進め方についてお伺いいたします。さらに、現時点での被害木の残存状況はどうか、また今後の計画や課題はどうか、お伺いいたします。 最後に、秋駆除についてお伺いいたします。真田、武石地域では春駆除終了時にも被害木が多く残存していることから、市民目線では全量伐倒駆除がどのようなスケジュールで行われているのかわからず、不安や不満が大きくなっていると考えられます。春駆除、また秋駆除終了時に被害木がない状態をつくることが全量伐倒と考えますが、春駆除を終えて今後は各地域の被害木の残存状況を踏まえ、秋駆除をどのように行うかが重要になってきます。5月中旬から6月にかけて成虫になったマツノマダラカミキリは健康なアカマツの枝や幹をかじり、同時にマツノザイセンチュウがアカマツに侵入し弱らせ、枯らしていきます。そして、マツノマダラカミキリは7月上旬から8月にかけて弱ったアカマツや枯れたアカマツと春駆除で処理できなかった枯れ木に産卵していきます。秋にこれらの被害木を駆除することで来春の被害を抑制することが可能とされています。上田市の秋の伐倒駆除計画について考え方や目標はどうか、さらに具体的な事業の内容とスケジュールについてお伺いいたします。 ○副議長(池上喜美子君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 伐倒駆除について、まず守るべき松林と定めました松林の地域の被害量とこれらの処理量及び割合について申し上げます。 現行の上田市の守るべき松林4,523ヘクタールは高度公益機能森林及び地区保全森林に位置づけられ、平成27年度に対象といたしました地域ごとの面積は、上田地域は2,033ヘクタール、丸子地域は851ヘクタール、真田地域は573ヘクタール、武石地域は1,066ヘクタールでございます。 被害量及び処理量の割合でございます。約ということで申し上げますが、平成24年度は被害量2万300立方メートルに対しまして駆除量は8,300立方メートル、平成25年度は被害量2万立方メートルに対しまして駆除量8,200立方メートル、また平成26年度は被害量1万8,600立方メートルに対しまして駆除量6,700立方メートルを実施しておりますことから、処理量の割合はおおむね4割程度にとどまっておるということでございます。 次に、春駆除の関係でこの妥当性はどうかということでございます。この守るべき松林で今年度4月から6月に実施いたしました春駆除の実績でございますが、上田地域では下室賀、古安曽、別所温泉等合計10工区におきまして約1,500立方メートルを実施いたしました。このほか丸子地域は3工区で470立方メートル、真田地域は4工区で200立方メートル、武石地域は12工区で680立方メートルでございまして、春駆除全体といたしましては2,811本、2,823立方メートル、事業費ではおよそ5,600万円ほどを実施しております。このように松くい虫対策事業予算のうち春駆除の伐倒薫蒸処理費用は全体の約35%を占めておりまして、大変重要な防除対策であると認識しております。 次に、入札時期、業者選定に関してでございますが、施工業者は落札後、生分解シートや薬剤の調達などの準備等に一定の日数を要しますことから、今年度は早期発注をする試みといたしまして、一般競争入札から指名競争入札に変更いたしまして、従来と比べ2週間程度早期着手することができております。今後も引き続き早期発注に努めてまいります。 次に、入札業者の選定基準でございますが、入札参加希望者は市の業務部門におきまして森林業者として登録する必要がございまして、県の森林整備業務専門技術者資格を持つ技術者を配置することが条件となっております。松くい虫対策では防除対策のほとんどは伐倒薫蒸処理でございまして、当面の間はこれを継続していくことが主な業務となってまいります。また、本来の森林整備業務も継続していかなければならない中で、労働力が不足しております林業業界は新しい人材を育成して新規参入する業者数もふやしていく、このような取り組みを県と市町村が連携して進めていく必要があるものと考えております。 次に、伐倒薫蒸処理のスケジュール、被害木の残存状態等でございます。ご質問の地域につきましては、国、県の補助事業の対象地域として春駆除、秋駆除をマツタケ産地、被害先端地、観光地を優先的に実施しております。しかし、春の限られた期間、また年間の予算の範囲内で実施しておりますことから、これら全地域の全量伐倒駆除には至らないというものが状況でございます。 このような状況の中で、マツタケの産地につきましては、昨年度自治会あるいは生産森林組合等の皆様を対象に、マツタケ山の所有状況調査を行わせていただきました。これは、今まで把握し切れないでおりましたマツタケ山の具体的な場所等について聞き取り調査にご協力いただきましたもので、今後はこの結果を踏まえまして守るべき松林の中のマツタケ山を絞り込み、優先的に防除対策に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、残存しております被害木につきまして、この春駆除の作業中には発症が確認されずにいたものや、駆除作業中に新たに感染したものであると思われます。いずれにいたしましても、マツノマダラカミキリムシが飛び出すタイミングまでの駆除を逸してしまうことのないように取り組んでまいりたいと考えております。 次に、秋駆除についての考え方、目標についてでございます。通常11月以降春まで行います秋駆除は、春駆除に比べまして期間が長く、駆除量も多いことから、翌年度の春の発生を抑制できる重要な対策であります。今年度は春駆除を、先ほど申し上げましたように2,823立方メートル行いまして、秋駆除につきましては、昨年度処理量を500立方メートル程度上回る4,000立方メートルの駆除を予定しております。なお、秋駆除は降雪などの天候に大きく左右される面がございまして、作業もまた高地で行うことから、作業環境が厳しく、効率も悪くなるといった面もございますが、関係者の皆様のご協力をいただき重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 樹種転換や間伐について3点お聞きします。 1として、真田、武石地域など全量伐倒駆除を計画している地域では、伐倒駆除だけでなく、周辺の松林を樹種転換する計画とのことです。これまで樹種転換を行った越戸や仁古田が挙げられるが、効果はどのように分析しているのか。また、樹種転換の効果が期待できる条件や候補地選定について市の考え方はどうか。さらに、真田、武石地域や別所温泉などで計画されている事業のスケジュールや進捗状況はどうか。 2としまして、被害の激害地における間伐、更新伐について、これまで松くい虫被害の防止策として、伐倒、集積、ビニールでの被覆を条件としておりました。激害地ではほとんどのアカマツが枯れてしまっているため、被害の拡大は少ないと考えられます。新たに事業費を削減するため、被覆を行わないで広葉樹化を図るとしているが、間伐、更新伐の具体的な施業の方針、方法はどのように行うのか。また、樹種転換を安価に行う方法と考えてよいのか、お伺いいたします。 3つ目に、アカマツ林の整備のモデル事業として、東山市有林で間伐を行い、林内で伐採木をチップ化し、有効活用を図るためバイオマス発電の用材として販売し、コストの試算を行ったとありました。モデル事業の目的や検証結果はどうか、お伺いいたします。 ○副議長(池上喜美子君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 樹種転換や間伐についてということで、まず樹種転換の考えや取り組みのことにつきまして申し上げます。 樹種転換事業は、松林区分における周辺松林を他の樹種に転換して、被害拡大の緩衝帯を設ける事業であります。上田市では過去に仁古田、越戸地区が樹種転換をしたことによりまして、隣接いたします青木村では事業実施後に被害が減少した例からも大変有効な対策であると考えております。実施に当たりましては、対象地の健全木も伐採することから、森林所有者の同意や地域住民の皆様方の意思統一を図ることが必要になってまいります。 この樹種転換の状況でございますが、別所温泉地区につきましては、平成25年度から計画的に実施しておりまして、現在も継続中でございます。武石地域につきましては、武石沖の小山地区で来年度からの実施が予定されております。さらにまた、今後西塩田地区でも数カ所が計画されておるところでございます。上田市と青木村の例からも、松くい虫対策は上田市のみではなく、上小地域が一体となった取り組みが重要でございまして、これらの候補地につきましては、県林務課、東信森林管理署、また各市町村、そして信州上小森林組合等で構成いたします上小地方松くい虫防除対策協議会の中で効果的な場所の検討をいたしまして、森林所有者の皆様方の合意のもとで実施してまいりたいと考えております。 次に、激害地における間伐、更新伐についてでございます。松くい虫被害はマツノマダラカミキリの生態上、おおむね標高800メートル以下で発生いたしますが、このアカマツ林は上田市全体の松林の約55%を占めております。一般的にアカマツ林の50%以上が枯損している、枯れておりますところを激害地と呼びますが、これらの地域の松林全てに松くい虫対策として全量伐倒処理を行うことは、現状といたしまして財政的にも困難であります。また、作業能力の面でも事業者の数や労働者数も限られておるところでございます。このような中で新たな対応策といたしまして、この激害地に間伐や更新伐を導入していくことは有効な手段であると考えております。特に更新伐は被害木や健全木も含めて伐採して、天然の広葉樹の育成を図りますことから、自然に近い状態に回帰するため、ある意味で地拵えや植樹を伴わない安価な樹種転換と考えることもできるのではないかと思います。 次に、東山市有林のモデル事業の関係の検証結果でございます。東山は比較的標高が低いため、アカマツが全樹種の92%を占めるほど豊富にございますことから、新たな松くい虫防除方法の試験地といたしまして樹幹注入、土壌改良剤、竹炭やマツノマダラカミキリムシの天敵であるアカゲラの営巣づくりや被害材の再利用のモデルといたしましてさまざまな取り組みを行ってきたところです。平成23年度から昨年度にかけましては、被害材の利活用を目的にチップ化事業に取り組み、ここで製造したチップ材は学校、公園等の公共施設にマルチング材や林道、作業道のぬかるみ防止材として利用するなど、被害材の再利用への取り組みを行いました。また、チップ化事業で製造されたチップは自治会や公共施設に配布しており、大変好評をいただいておるところでございます。 また、昨年度はチップ化モデル事業とあわせて松くい虫被害木を丸太の状態で木質系バイオマス専用の用材として搬出、売却いたしまして、コスト等の検証を行いました。売却先は長野市のいいづなお山の発電所でございます。今後バイオマス資源の受け入れ先として新たに塩尻市に産学官連携で計画された信州F・パワープロジェクトの稼働が予定されるなど、被害材の売却が見込めますれば防除対策費用の財源としての充当が期待できます。このモデル事業は、当初は市民に身近なところで被害木が再利用されていることをお伝えする目的もございましたが、ここ数年、ただいまご紹介申し上げましたように、被害木が木質バイオマス資源として県内で再利用できる環境も整うようになりましたことから、今後はバイオマス資源として再利用していく具体的な検討をしてまいります。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 今後の松くい虫被害防除対策について幾つか提案をさせていただきます。 1つ目として、激害地の森林整備が課題となる中、作業道が整備されている激害地などで更新伐を行い、間伐材をバイオマス発電の用材として販売することは事業費の補填につながると考えられます。チップ材は現在いいづなお山の発電所へ販売できます。また、塩尻市の信州F・パワープロジェクトのバイオマス発電所が平成29年度末に稼働予定とされており、バイオマス発電用材の需要が増加すると考えられます。 そこで、激害地などで更新伐促進を図るため、被害木をバイオマス発電用材として供給するための体制づくりが必要と考えます。冬場は丸太で運搬することも考えられますが、夏はチップ化が必要となります。このため、上田市としてチップ化体制の構築、さらにチップ化を目的とした森林整備計画などを策定し、積極的に激害地の更新伐を進めていくことを提案いたします。市のお考えをお伺いいたします。 2つ目として、守るべき松林として位置づけられた松林の面積は4,523ヘクタールであり、上田市内の松林5,840ヘクタールの約77%を占めております。松くい虫被害対策に資する国や県の補助金など減少する傾向にあります。樹幹注入や地上散布などの予防策は広範囲に施業できないこと、松くい虫被害対策として最も多くの予算を充当している伐倒駆除においても全量伐倒が困難になっていること、さらにその他松林に含まれる激害地への対策も必要で緊急性が高まっているといった現状です。それぞれの施業の効率化を図ることは当然ですが、市内の松くい虫被害状況を分析、把握して、次年度の計画策定に当たって守るべき松林をさらに絞り込むことを提案いたします。市の見解をお伺いいたします。 3として、現在の松くい虫被害対策計画では、地域や松林区分別に方針が示されており、松林区分は補助金の種類により分けられております。これでは市民にとってそれぞれの地域でどのような施業が行われているのかわかりづらいのではないでしょうか。松くい虫防除対策協議会では自治会連合会や財産区、山林所有者の代表者の皆様、また多くの市民に参画していただいているが、現在も自治会等からの要望が多く、市民からも松くい虫被害対策の確認や充実を求めるお声をお聞きしているところです。そこで、防除対策計画を被害状況ごとに区分し、各地域の施業の目的と施業方法がわかるように整備すること、また市の松くい虫防除対策計画や施業の内容、スケジュールについて説明会を各地域で開催し、市民の理解を深めていくこと、以上の提案に対して市の見解をお伺いして、私の質問を終わります。 ○副議長(池上喜美子君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 今後の松くい虫の被害防除対策として、まずチップ化を目的とした森林整備計画の策定や体制を整備するという考えについてというご質問でございます。さきの答弁ではモデル事業としてのチップ化についてご答弁申し上げたところでございますが、ここからは森林整備計画との関係で申し上げることとさせていただきます。 国、県の上位計画に基づきまして策定しました上田市森林整備計画の中では、森林病害虫駆除、予防のための間伐、更新伐を目標とし、地域産材利活用の推進の中でも未利用材の木質バイオマスエネルギー利用の積極的な促進を位置づけておりますことから、チップ化事業については、松くい虫防除対策の一環として進めてまいりたいと考えております。 続きまして、守るべき松林をさらに絞り込むべきと考えるがということについてのご答弁でございます。現在県内の松くい虫被害が上小地域に限らず、松本あるいは安曇野地方など急速に拡大しております。このような中で、県の指導方針では特に松林区分の徹底が求められております。この区分の徹底ということでございますが、区分を徹底することは残すべき松林を徹底して守るということにつながりますことから、上田市といたしまして、今後の松くい虫対策を大きく転換すべき時期が来ているものと認識しております。守るべき松林が松林全体に占める割合は、県内の平均が26%でありますのに対しまして、上小地域は70%と県内でも非常に大きい地域でございます。また、この中で上田市は78%を指定しておりました。上田市のアカマツは広範囲に分布し、上田市の気候の特性上、少雨で乾燥地域に適しているということから、従来まで指定しておりました守るべき松林がある意味非常に広大であるという、こういう特徴がございました。今後はこれを絞り込み、エリアを明確化するなど、それぞれの松林の保全レベルに適した対策を計画的に進めてまいりたいと考えております。 最後に、被害状況ごとに区分し、各地域の施業の目的や方法を整理することについてのご提案、また市民への説明会の開催についてのご提案を頂戴いたしました。上田市の地域ごとの防除方針、防除計画は、上田市松くい虫防除対策協議会で策定されておりまして、それぞれの地域内の松林の区分を明確にし、それぞれの目的に応じた対応策を選択することにより施業の内容が決まってまいります。松林の区分とその考え方、対応策は次のようにしてまいります。まず、保安林や急傾斜地、景勝地、あるいはマツタケの発生地など、今後も松林として維持すべき森林は守るべき松林として区分いたしまして、その対策としては、被害木の適期の全量伐倒駆除、樹幹注入剤による予防対策の実施、そして5年後に品種改良が見込まれていると私どもお聞きしておりますが、抵抗性アカマツへの転換を実施してまいります。 次に、守るべき松林へマツノマダラカミキリムシの侵入を防ぐ防衛ラインとして、間伐、更新伐による広葉樹等への樹種転換を実施するエリアを周辺松林といたします。その他松林の対応策としては、間伐、更新伐や自然推移による樹種転換を図っていくこととしたいと思います。 以上の方針に基づきまして、それぞれの区分や目的、対策を整理いたしまして、今後の防除対策を計画してまいりたいと考えております。現在のような激しい被害状況の中で、これからは市と地元及び所有者の3者が互いに知恵を出し合い、従来の発想を大きく転換して松くい虫防除対策に取り組んでいく必要があると認識しております。このことから、議員ご指摘のとおり、将来に向けて各地域に適したよりよい森林づくりを目指すためにも、地域の皆様や山林所有者の皆様にご理解をいただくための説明会を今後各地で開催してまいります。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 松尾議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時40分   休憩                       ◇                                午後 1時55分   再開 ○副議長(池上喜美子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)将来の若者のための市政について ○副議長(池上喜美子君) 次に、質問第5号、将来の若者のための市政について、半田議員の質問を許します。半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕 ◆28番(半田大介君) 長野大学公立大学法人化の質問をしてまいります。 初めに、公立大学法人化に向けた現状について伺います。母袋市長は記者会見、市長提案説明において、平成29年4月での公立大学法人化を視野に鋭意取り組んでいく決意を示されましたが、平成29年4月に向けて、第1点、これから上田市が行う公立大学法人化に向けた検討事項は何か。 第2点、8月24日の記者会見において、市長は大学に対して公立法人化により市の意向も酌み入れてマネジメントをするべき、また行政も一定の範囲でかかわって大学の維持、改革に関与していく、さらに提案説明では、公立大学法人化後の大学像をお示しするとの発言があったが、市の大学改革への関与とは具体的に何か。特に定員確保と一定の財政負担に関して強調されておりましたが、そのことも含めているのか。 第3点、市が考える今後の公立大学法人化への計画スケジュールはどうなっているのか。 以上3点伺い、第1問といたします。 ○副議長(池上喜美子君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 大きく3点につきましてご質問がございました。答弁いたします。 改めて申し上げますが、長野大学公立大学法人化検討委員会からは、6月に公立大学法人化を是とする報告をいただいたところでございます。以降これまで市では理事会、理事長、また学長及び副学長の皆様との懇談を実施、長野大学の考え方を確認してまいりました。一方、議会におかれましても、長野大学との懇談会を実施され、さらに市の執行部への質問もいただき、懇談会も実施いただき、検討をしていただいたところでございます。懇談会を通じて議会の皆様が疑問とすることをお聞きしたことを踏まえ、今後においては主に次の4点を公立大学法人化前、以前での検討事項として現在考えております。 1つ目でございますけれども、公立大学法人化の目標、理念、また公立化によって大学の何が変わるのか、さらに上田市にとってのメリットとは何か、こういったものを大学と相談しながら明確にしてまいりたいということが1つ。2つ目でございますけれども、公立大学の役割として、新たにどんな市民サービスを提供できるのかを提案していくこと。3つ目に、公立大学法人化した場合に、これまでの文部科学省から交付されていた私学補助金にかわり上田市から長野大学に交付することとなる運営費交付金の交付額の金額の考え方、また大学の建物の更新など施設整備の更新費用の考え方など、これらを決定していくこと。4つ目でございますけれども、公立大学法人化がスタートする前までに作成するものとして、大学の6年間の教育、研究の質の向上、業務運営や財務内容の改善に関することなどを定める中期目標の中身を検討していくこと、以上4点でございます。 さらに、大学が主体的に行っていただくことでありますが、地域から真に求められる大学にするためには、どんな学部、学科編成にするのかを検討しながら、大学の改革または変革のためのスタートを切ること、学部、学科の再編には文部科学省への申請、認可の期間が必要でございまして時間がかかりますが、早期に検討を開始していかなければならないものであろう、このように考えております。 次に、市の関与等についてでございます。公立大学法人につきましては、市が直接運営する公立大学とは異なりまして、大学の運営を行政からは切り離し、独立した法人格を与えた法人が運営するものでございます。行政はその運営をチェックする立場となります。また、その際も常に大学の教育研究の特性に配慮し、大学の中期目標を定める際には法人の意見を聞くこととされているなど、大学の自主性、自律性を尊重することとされております。こうした立場を踏まえまして、大学へのかかわりにおきましては、まずは大学の定員をしっかり確保して大学を存続させることが必要でありますので、魅力的な大学にするために常に改革を意識していくという姿勢が最も大切でもあろうと思っております。学部、学科の現状も踏まえながらも、大学に改革の検討を求めていくことが必要と考えております。また、上田市の大学となりますことから、市の政策として大学に事業を実施させる場合には、市としての負担、これを検討していかなければならない、このようにも考えております。さらに、設立団体といたしまして、大学の目的、組織体制など基本的な事項を定める定款、これを策定すること、大学の6年間の中期目標を定めることになっていますこと、一方で大学の業務の実績については評価委員会の評価を受け、議会に報告することとされていることからも、あくまでも大学の自主性を尊重しながら運営にかかわることになると、このように考えております。 次に、現時点での公立大学法人化の計画とかスケジュールということでございました。公立大学法人化するためには、議会の議決をいただかなければならない事項が幾つかございます。大きく分けて2回の議決が必要となってまいります。まず1回目の議決においては、法人の目的や役員、業務の範囲、資本についてなどを規定いたします定款の議決、これが必要でございます。次に、市に附属機関として設置し、大学の運営などについて意見を述べる公立大学法人評価委員会条例の制定、及び地方独立行政法人法において、設立団体は公立大学法人の資本金の額の2分の1以上の財産を出資しなければならないとありますことから、3つ目には、大学への財産の出資関係の議決、これが必要となってまいります。次に、議決をいただいた定款あるいは出資財産の目録を添えて長野県への法人設立認可申請、並びに国への設置者変更申請、学校法人解散認可申請手続が必要となってまいります。 2回目の議決としては、この間に設置します評価委員会委員の意見をお聞きしながら作成した中期目標案と大学の重要な財産を定める条例、これを市から大学へ交付する運営費交付金の予算とともに議決が必要となってまいります。この議決につきましては、今後の公立大学法人化の検討状況によりますが、1回目の議案提出は今年度中をめどとし、2回目の議案提出においては来年度中をめどといたしまして、提案説明で申し上げた平成29年4月の公立大学法人化、これを目指しながら鋭意取り組んでまいりたい、このように考えておりますので、よろしく対応方願いたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕
    ◆28番(半田大介君) ただいま答弁いただきました。 次に、第2問、長野大学の公立大学法人化を是とした検討委員会の報告書に対する市の見解を伺います。なお、6月定例会以降、この間検討委員会から出された5つの課題について、上田市議会では長野大学とは3回、上田市とは1回の議員懇談会を開催しております。 そこで、伺います。第1点、検討委員会が公立大学法人化を是とした上で出した5つの課題は、公立大学法人化を行うための、または行った後の条件なのか。 ところで、8月10日の上田市との懇談会の折、十分に議論が尽くされた検討委員会の報告書を尊重していきたいとされたが、検討委員会では大学に大変失礼な発言が当初からあった。大学の説明を途中で遮り発言する委員がいた等、議論の経過の説明もありました。検討委員会が行ってきた議論が当初から感情的で、冷静さに欠けていたようにも見受けられます。 そこで、第2点、検討委員会ではどのような議論がされたのか、客観的な資料、データに基づく議論がなされたのか、そして5つの課題はどのような議論を経て出されたものなのか伺います。 ○副議長(池上喜美子君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初の検討委員会が提出した課題は公立大学の法人化を行うための条件なのかというご質問でございます。検討委員会の報告書では、長野大学への課題として3点、上田市に対する課題として2点挙げられております。検討委員会の中で真剣に、激しく議論されて報告書にまとめられた内容と考えていますので、課題についても重く受けとめております。また、課題の内容は公立大学法人化後においての大学のあり方の一定の方向性を示していると捉えております。例えば、「望ましい学部・学科編成、大学院の設置などの改革」についての課題は、学生や地域社会から評価されるための大学になるためには、単に公立大学法人化のみに安住するのではなく、大学として常に改革の意識を持ちなさいという意味をあわせて込められているものと考えております。具体的にどういう学問領域にするか、学部編成にするかなどは検討にも時間を要し、公立大学法人化の時点で改革が実現することはスケジュール的にも不可能でありますので、公立大学法人化に当たっての条件としては考えておりません。しかし、十分に尊重すべき事項と考えており、その他の課題を含めて条件に近い意味での課題と捉えております。 続いて、5つの課題、これはどのような議論を経て出されたものなのかと、客観的なデータに基づくものだったのかというご質問でございます。長野大学への課題の1つ目の「きわめるべき学問領域、望ましい学部・学科編成、大学院の設置などの改革」につきましては、検討委員会では大学が公立大学法人化による財政的支援の恒常化のみを目的としているのではないか、また地域から求められる大学にしようとする具体的な改革案がなぜ検討されていないのかといった懸念から課題としております。 「収支構造の改善」につきましては、ここ数年の大学の決算状況を見ますと、学生数が減っても歳出はそれに比例して減っていないため、赤字体質となっているとの分析から、収支構造の改善に努めることとしております。 「入学定員の地域枠創設」につきましては、これまでに公設民営方式の私立大学から公立大学法人化した5大学の状況から見ても志願者の増加が予想され、私立大学時より狭き門となる入試に対し、地域出身の高校生への配慮が必要ではないかとの判断から課題とされております。 上田市に対する課題の1つ目の「財政的にも人的にも負担があることから、相当な覚悟をもって臨む必要があるということを十分認識し、取り組むこと」につきましては、検討委員会報告書にもありますが、「公立大学法人化した場合、最終的な経営責任は上田市が負うことになるとともに、恒常的に、その管理・運営や施設維持・向上に関与し続けなければならず、そのための財政的・人的資源の提供は当然要請される」、このことから公立化を判断する場合には覚悟を持って臨むこととの指摘になっております。 上田市に対する課題2つ目の運営交付金に一定の上限を設けることにつきましては、市民の理解を得るためにも、上田市の財政的な負担について一定の制限とルールが必要と判断されたものと受けとめております。 検討委員会では上田市及び大学からの資料をもとに検討をしており、それぞれのデータは客観的なデータをもとに作成してあります。大学教育に見識のある委員、経営に明るい委員など、それぞれの委員の専門性を発揮した率直な議論が交わされていたと考えております。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕 ◆28番(半田大介君) ただいまの答弁では、課題は条件に近いとの答弁がありました。 次に、検討委員会が提出した課題について上田市はどう評価しているのか、第3問としてお聞きいたします。課題には大学に対し学生の就職率の向上に努めることとありますが、これは正確な評価なのか。私は、この就職率が検討委員会が示す大学改革の根幹となっていると思っています。検討委員の評価において、学生の就職希望率の低さが指摘されていますが、文部科学省及び厚生労働省の大学生の就職に対する調査結果を比較すると、5年前、2011年3月卒業の大学生が卒業後の進路に就職を希望している就職希望率は全国平均66.5%、長野大学は74.3%、就職希望者が就職できた就職率は、全国平均91%、長野大学96.2%、今から五、六年前の2011年前後はリーマンショック後の就職氷河期となり、ハローワーク上田管内でも有効求人倍率が0.24となるなど低迷を続けた時期であり、当時金子政策企画部長商工観光部長として大変な就職難だったことはご存じのはずです。そして、2015年3月卒業の大学生の就職希望率は全国平均72.1%に対して、長野大学76.8%、就職率は、全国平均96.7%、長野大学98.4%、いずれも過去5年間全国平均を上回る現状です。検討委員会はどのような根拠に基づいてこの就職率向上を課題に挙げたのか、市の見解をお聞きいたします。 ○副議長(池上喜美子君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) ただいま議員からご指摘のとおり、長野大学の就職率の数字は全国平均に比べ高くなっております。しかし、検討委員会ではこの就職しない人の数字について注目をいたしまして、例えば平成26年度卒業生237人のうち、就職決定者は75.5%の179人でございます。就職に結びついていない学生58人の内訳が、就職未決定者や進学者等の理由のほかに、就職の意思がない学生が20人弱いるほか、就職意欲を見せずに退学や除籍による卒業まで至らない学生が40人前後ある状況などが問題であるということで、就職率の向上に努めることとして指摘をしたところでございます。 また、現状では上田市内に就職する卒業生が10%程度のため、大学として地域の企業と連携した活動をすることで地域の就職へつなげていただきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕 ◆28番(半田大介君) ただいま答弁では、長野大学の地元への就職率が10%と伺いました。これについては次の質問にも関連していきますので、また質問したいと思います。 次に、検討委員会では地域で評価される大学になるには、新しい学部、学科及び大学院の設置を念頭に置いた大学改革を求めております。その一方で、大学に対して経費削減、授業料は国立大学並みに低減すること、上田市側には、市からの運営交付金を算定した基準財政需要額を超えない支援とすることを示し、財政負担を抑制しています。しかし、新しい学部、学科、大学院を設置するには多額な費用がかかることは素人でも思うことですが、この課題は矛盾をはらんでいませんでしょうか。 また、この疑問について8月10日の議員懇談会において上田市は、大学運営経費は追加負担しないが、政策的な経費の加算はあり得る、新学部、学科等の設置には地方創生新型交付金も検討の一つとしている。しかし、長野大学からは新学部、学科等の設置には6年かけて検討していきたいと言っております。果たして大学が結論を出す6年後にこの新型交付金があるのか、これは財政的な根拠が不透明とも思えます。そこで、4点伺います。 1、新しい学部、学科及び大学院の設置にはどの程度資金が必要と試算しているのか。 2、設置に対する財政面の根拠はどのように考えているのか。また、懇談会の席上、地元企業に選ばれる学生を輩出するために、学部、学科の設置及び理系学部の検討を視野にしている趣旨の発言がありました。 3、地元企業に選ばれる学部、学科または大学生の根拠は何か。 例えば、上田市にキャンパスを置く2つの理系大学について、信州大学繊維学部は毎年学部生3割、大学院修士課程7割の約280名の卒業生のうち、上田市を含む長野県内企業に就職する学生は10名から20名程度、長野県工科短期大学校は1学年80名ですが、上小地域に就職する学生は20人もいない現状です。また、ハローワーク上田管内で専門学校、短大、大学卒の全体の毎年度の企業からの求人数は600を超えないばかりか、製造業の移転等により減少傾向にある上、毎年4月に開催する上田地域職業安定協会主催の高卒者から大卒者までの全ての新卒者を対象とした新卒者激励会もここ数年は300人程度の出席にとどまっております。これはあくまでも新卒求人に対する企業の充足状況を見る参考データですが、現在学生の就職活動から企業の内定も複数社とる時代です。 そこで、4、これからの少子化時代において、学生が企業を選んでいることの視点に欠けている点はどう思っているのか。 そして、5、大卒等の求人については今後は地元企業、産業の動向をさらに研究していくべきではないか。 以上お聞きし、4問といたします。 ○副議長(池上喜美子君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、新学部、改革についてのご質問でございます。地域から求められる大学になるには、大学として常に改革の意識を持っていただいて取り組んでいかなければならないものと考えております。具体的な改革案につきましては、今後大学で外部の委員を含む改革検討委員会を組織することとしており、望ましい学部、学科への検討をしていくことが必要であると考えております。例えば、理科系分野の学部にするためには、具体的な試算、どのくらいかかるかは試算しておりませんけれども、建物や設備に多額の費用がかかることが想定されます。また、全く新しい学部でなくても、現在の学部を拡充することや、現在の文化系分野の要素を残したまま理系学部に再編することなど、極力費用を抑えた編成も想定するところでございます。 地方創生の新型交付金については、政府のまち・ひと・しごと創生本部では平成28年度の新型交付金を1,080億円とする基本方針を先月示したところですが、具体的な内容については発表されておりません。今後地方創生、活性化の観点から学部、学科編成の再編にも、あと4年でございますが、この新型交付金を充てられるように、大学と協議しながらこの交付金の使い道ができるように検討してまいりたいと考えております。 いずれにしろ、学部、学科編成の改革により必要となる財源につきましては、大学の積立金のほか、必要な部分は市が負担していかなければならないものと考えております。 次に、地元企業に選ばれる学部、学科、大学生であることというご質問でございますけれども、地元企業が望む学生につきましては、大学が設置する、先ほど申し上げました改革検討委員会の中で産業界の委員さんからの意見をお聞きすることや、実際に新たな学部の設置をするには大学として想定する就職先からのニーズ調査が必要であると考えております。そうした機会をつくり、求められる学問領域について大学として検討していただきたいと考えております。 また、学生が求める就職先の確保も大切と考えています。大学生が就職先を選択するに当たって、多くの選択肢を準備することが必要と考えております。地方に仕事をつくるため、地域産業の活性化、あるいは地域に企業を誘致するなどの施策、これにつきまして今後推進してまいりたいと考えております。また、大学が企業と協働した商品開発、あるいは学生の創業による雇用創出なども望まれるところでございます。そのためにも産業の動向を注視し、企業の意見もお聞きしながら大学を運営していくことが大切でございまして、大学が学部、学科編成の改革を進めるに当たっても産業界の意見を聞くことが必要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕 ◆28番(半田大介君) 答弁いただきました。次に、第5問として、長野大学に対する評価をお聞きいたします。 第1点、市は今まで長野大学及び学生、そして卒業生が地域に果たしてきた貢献度をどう評価しているのか。 第2点、受験者数に影響すると言われております今年度の長野大学のオープンキャンパスには昨年の倍以上の受験生、保護者が来ていると聞いております。ことしの受験生、保護者への影響をどのように考えているのか。 第3点、今まで公立大学法人化した大学からのお話を聞くと、公立化が決まった段階で丁寧にかなりの時間をかけ説明会やPRを行い、公立大学法人化の説明をしてきたことを聞いております。今後の公立大学法人化へ向けた市民や地域への説明責任をどのように考えているのか伺います。 ○副議長(池上喜美子君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、上田市の長野大学に対する評価でございます。長野大学はこれまでも地域の企業や各種団体と連携して、地域に入り込んで地域の課題に一緒に取り組み、実績を上げてきており、私立大学の中で地域貢献度ナンバーワンと評価されております。また、特に伝統ある社会福祉学部では、地域の社会福祉法人等に指導員や介護職員として多くの人材を送り込んでいただいており、福祉施設から大学への期待は大きいものがあります。これまでも私立大学として大きく地域に貢献してきているものと考えております。 続きまして、今後の受験生、保護者への影響のご質問でございます。大学によりますと、検討委員会から公立大学法人化を是とする報告書が提出されたことによりまして、要望書を提出したとき以上に受験生や保護者、高校の先生方には公立化に対し大きな期待感を持っていただき、長野大学を進路選択の一つとして検討いただいている状況であるとお聞きしております。ことし8月に開いたオープンキャンパスにおいては過去最高の参加者があり、8月下旬までの出願期間であった第1回目のAO入試においても昨年の2倍以上の志願者となっている状況とお聞きしております。こうした来年度からの公立大学法人化を期待した学生にとって公立大学法人化する時期がおくれること、あるいは公立化の可否がはっきりしないことは、大学にとっても受験生にとってもこれから本格化し、今年度末まで続く入試において影響があると危惧されます。こうした懸念に対応するためにも平成29年4月の公立大学法人化を目指し、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、公立大学法人化へ向けた市民へ、あるいは地域への説明のご質問でございます。上田市として公立大学法人化後の大学の姿を提案できる状況になり、公立化の方針が決定したところで、市民が求める大学という観点については市民懇談会を設けていくことを考えております。また、先ほど申し上げましたが、大学としてどの分野の教育研究が望ましいか、きわめるべき学問領域や望ましい学部、学科編成について、大学の改革を進めるという課題につきましては、大学の運営者や地元の産業界、専門家の皆様の意見を聞くことが必要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕 ◆28番(半田大介君) 答弁を伺いました。 次に、公立大学法人化が地方創生の取り組みだけでなく、将来の若者のための議論となっているのか伺います。大学改革は新学部、新学科設置だけではないと私は思っております。 そこで、第6問として、第1点、議員懇談会の折、市からは魅力ある大学を構築すること、また魅力ある大学とするのは行政の責務、そして魅力ある大学として持続すると回答されておりました。この魅力ある大学とは何か、改めて伺います。 第2点、大学が提案している地域の課題解決プログラム、地域での人材育成を実施していく地域づくり総合推進センターの設置は、より行政と地域と大学、そして学生や地域の若者の研究拠点となり、上田市も活用できると思いますが、市の見解はどうか。また、財政負担ばかり議論されておりますが、市も表明しているとおり、大学に依頼する政策的な経費には将来の若者を育てていく、社会人がさらに学びたいための教育の場や市の政策課題を研究していく機関として、大学を産官学、そして地域や市民が活用できる場として議論が進められるよう、大学や上田市以外の第三者の議論が必要ではないか、市の見解はどうか伺います。 そして、第3点、これは私たちも反省すべき点ですが、私たちの公立大学法人化の議論は当事者である受験生、生徒を含む将来の若者、そして保護者を飛び越えた議論となっていないか、これからを担う若者たちのための議論を行うべきでないか、これは市長に伺います。 ○副議長(池上喜美子君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、魅力ある大学とは何かというご質問でございます。上田市が考えます魅力的な大学とは、例えば次のような大学を考えております。1つとして、今定例会に提案しております第二次上田市総合計画に位置づける大学などの高等教育機関との連携による学園都市づくりの中心的役割を担うことができる大学であること、2つ目として、上田地域を初め、県内、県外からも意欲的な学生が集まり、企業や団体が真に求める人材を育成して社会に送り出し、それが地元の定着と県外出身の学生の定住にもつながること、3点目としては、上田市にとっても大学を活用した施策の実施が可能となり、大学が地域課題解決のためのシンクタンク的な役割を果たし、起業支援や地域づくり活動などの取り組みを行うことができること、こうしたような大学となれば、多くの学生が集まり、上田市の活性化につながることになると期待しております。 続いて、地域づくり総合推進センターについての見解でございます。大学が提案しています地域づくり総合推進センターにつきましては、あわせて大学が提案しています市街地町なかキャンパスとともに地域課題の解決、人材育成、起業支援、あるいは産学官連携のための拠点として有効であると考えております。さらには、社会人の生涯教育や職業人のスキルアップに資する社会人講座の場として、市の政策的な課題を研究する場としても考えられますので、地方創生の地域の大学の活性化の中で大学と連携しながら設置について考えてまいります。 最後に、地域や市民が活用できるための大学とする第三者の議論が必要でないかということでございます。大学を地域や市民が活用できる場として議論が進められるよう、第三者を加えた議論が必要だと考えておりますが、まず市が設置する大学となることから、市民に対しましての新たなサービスの提供ということも公立大学法人化後は必要となります。市民が求める大学の姿については、市内で懇談会が必要だと考えております。また、先ほど述べましたように、大学で設置します外部の専門家を含めた大学改革委員会の中でも、新たな大学の活用でございますので議論をしていただきたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(池上喜美子君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 最後の質問ということでありましょうが、私からは当事者の立場での議論、特に若者にとってというご指摘がございましたので、答弁をいたします。 ご指摘あったとおり、公立大学法人化、これにつきましては、当事者である受験生や生徒、また保護者の立場からの視点、これは本当に大切な視点だと、このように思います。受験生、保護者にとっては、一般的に公立化は授業料が安くなること、さらに地元進学を希望している学生にとっては大学の選択肢もふえ、通学に係る経済的な負担、これが軽減される、こういったことは公立大学法人化のメリットと考えてよいのではないかと捉えています。また、今後の検討にもなりますが、入学者においての地域枠という、この枠を設けることで地元の受験生への配慮、これもできれば、このようにも考えております。 公立大学法人化の話があってから受験生や高校の先生方には公立化への期待も出ておりまして、大学からは既に一部で始まった来年度入試の志願者がふえている、先ほど議員のご指摘もございました。そんなこともお聞きしております。この期待していた学生とって公立大学法人化の可否がはっきりしないことは、これから本格化する入試においても憂慮されるべき点も出てくる、そんな危惧もされるところでございます。 先日の市政メールがございました。受験生の保護者からでございましたが、今般市が今定例会に議案を提出しなかったことを強い調子で批判する内容のメールをいただきました。このような意見も踏まえましても、早い段階で受験生や保護者の懸念に対応していかなければならない、このように考えておりまして、このような視点からも平成29年4月の公立大学法人化を目指して鋭意取り組んでまいりたい、このように考えております。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員。          〔28番 半田 大介君登壇〕 ◆28番(半田大介君) 済みません、時間が押しておりますので、これを最後の質問としたいと思います。 第7問、県立蓼科高校の上田駅発着バスの通学支援について1点伺います。高校の旧通学区の廃止に伴い、上田市に所在する高校への旧通学区外から通学する生徒の増加とともに、市内の生徒が旧通学区外の上田市周辺の高校に通学するケースがふえていると聞いております。立科町にある県立蓼科高校の全校生徒の約3割の生徒が上田市から通学をしております。その通学方法は、大屋、丸子等方面の生徒は立科行きの路線バスを利用しておりますが、約50名の学生は、塩田、真田等の場合は路線バスなどで一旦上田駅に来て、次にしなの鉄道に乗り、田中駅でおり、田中駅から学校バスで高校まで通学をしております。 そこで、高校通学に関する支援の現状と実態はどうか、また上田市内から県立蓼科高校へ通学する生徒の人数や通学状況を踏まえ、上田駅発のスクールバス路線等の支援について市の考え方はどうか伺います。 ○副議長(池上喜美子君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 高校通学に関する通学支援ということで、具体的に蓼科高校への質問をいただきました。まず、高校生の通学に関する支援といたしましては、上田市の高校通学費補助制度がございます。上田市では県内の高校等に通学する生徒の通学に要する費用の負担を軽減するために、一定の要件を満たした場合、保護者に対して補助金を交付しております。2つ要件がございまして、1つは、定期券を購入して公共交通機関で通学し、上田市内における通学距離が片道13キロメートル以上であることでございます。もう一点が、補助制度の適用となる自治会に居住していることとなっております。蓼科高校に通学する場合におきましても、ただいま申し上げました要件に該当する場合には補助金の交付対象となっておりますので、ご利用いただいているところでございます。 次に、上田市から蓼科高校へ通学している生徒の状況でございますが、本年4月におきまして、全校生徒307人のうち87名が通学しております。割合でいきますと、28%が上田市の高校生という状況でございます。議員からもご案内ありましたが、これら生徒たちの蓼科高校への通学手段といたしましては、電車、路線バスなど公共交通機関のほか、スクールバスの運行がございます。上田市からの通学では、スクールバスの利用者が多いとお聞きしております。このスクールバスの発着は中込駅、小諸駅、田中駅となっておりまして、上田市から通う生徒についてはこの田中駅の発着のスクールバスを利用ということになります。この場合、生徒の負担や保護者の経済的負担もあるわけでございますが、市内から市外への高校等へ通学する生徒は、学区制の規制が緩和された現在、蓼科高校だけではなく、佐久方面や長野方面へも大勢の生徒が通学しております。こうしたことを考え合わせますと、特定の高校への通学手段に対してのみ支援を行うということは公平性の観点から申し上げましても難しいと考えられますので、ご理解をお願いしたいと思います。 ○副議長(池上喜美子君) 半田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時40分   休憩                       ◇                                午後 2時55分   再開 ○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)市政について ○議長(下村栄君) 次に、質問第6号、市政について、小林議員の質問を許します。小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 通告に従い質問をしていきます。 最初に、上田市地方版総合戦略について伺っていきます。日本創成会議座長の増田寛也氏は8月14日付の読売新聞で、我が国は人口減少が続き、労働力人口が極端に減る中、若い世代ができるだけ子供の数は少なくしよう、子供を持つことは負担だといった価値観を持ちかねない。それを転換させる政策目標を立ててアプローチしてほしいと提言しております。上田市は2060年の市人口の目標を現在より4万3,000人少ない11万3,000人余とする人口ビジョン案を検討していますが、最初に、上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定推進本部はどのような体制なのか。その内容と上田市版総合戦略及び人口ビジョンの策定状況はどうか伺い、1問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 上田市のまち・ひと・しごと創生総合戦略策定推進本部につきましては、市長を本部長といたしまして、副本部長に副市長及び教育長を置き、各部長を部員とする本部体制のもと、まち・ひと・しごと創生の3部会と、これを統括します総務部会を設置いたしまして、上田市版総合戦略及び人口ビジョンの策定を進めております。 現在の策定状況でございますが、まず人口ビジョンにつきましては、これまでの人口の推移や現状を分析し、総合戦略の策定に向けた課題や将来展望を考察する作業を進めておりまして、現状分析では、とりわけ若い世代の大幅な転出超過の状況が浮き彫りになっております。このため、転入、転出に係る社会動態につきましては、より詳細な分析を行うため、市内の高校、専門学校、短大、大学を来春卒業する予定の生徒、学生を対象といたしまして、卒業後の進路や将来の移住地などに関するアンケート調査を実施しております。加えて、過去1年間において上田市に転入された方及び上田市から転出された方を対象といたしまして、転入や転出の理由をお聞きするアンケート調査を行いまして、現在これらの集計作業を進めているところでございます。また、人口の将来推計につきましては、国の人口ビジョンの対象期間を踏まえ、平成72年までの推計をすることとし、政策誘導による合計特殊出生率の上昇や転出超過の抑制を見込んだ市独自の推計作業を進めており、第二次上田市総合計画の目標人口との整合も図ったところでございます。 次に、総合戦略の策定状況でございますが、これまで庁内のまち・ひと・しごと創生の各部会で作成いたしました施策案の取りまとめを進めるとともに、民間の提言や意見を反映していくため、先月10日に市民代表、産業界、大学、金融機関、労働関係機関、報道機関の方々で構成する上田市地方創生有識者会議を立ち上げまして、引き続きご意見をお聞きしていく状況でございます。また、先月25日には東京上田会、東京丸子会、東京真田町の会の役員の皆様との懇談を行い、首都圏に在住される方の視点からもご意見を伺ったところでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 平成27年度から5年間の期間となる市の総合戦略では、上田市が持つ資源や特色を生かしながら、従来型の発想にとらわれない上田市独自の施策に取り組んでまいりたいとしておりますけれども、国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョンでは、人口減少時代は地方から始まり、都市部へと広がっていくとしております。 そこで、特に地方都市上田市では農村部での人口減少が大変気がかりであります。特に農村部での人口減の見通しと対策について、総合戦略の中にどのように盛り込んでいこうとしているのか伺います。 上田市は結婚や子育て支援、就業機会の拡大、移住、定住対策などを促進することで人口減少を抑制したいとしておりますが、特に安定した雇用を創出することが若者雇用創出数の増加につながり、結果として人口減少の抑制策につながると考えますが、上田市では28年度以降5年間の若者雇用創出数をどう予測するか、またその対策を総合戦略にどう盛り込もうとしているのか伺います。 国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョンでは、人口減少に歯どめがかかると高齢化率は35.3%で、ピークに達した後は低下し始め、将来は27%程度にまで低下する、さらに高齢者が健康寿命を延ばすと事態はより改善するとしておりますが、上田市でも健康寿命を延ばす事業は積極的に展開をしております。 そこで、上田市の総合戦略ではこうした取り組みをどのように盛り込むのか伺い、2問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、農村部での人口の見通し、またその対策を総合戦略にどのように盛り込むのかというご質問でございます。上田市版人口ビジョンにおきます将来人口の推計につきましては、総人口のほかに市内9つの地域協議会単位で地域別の推計作業を進めております。現時点でその推計値は出ておりませんが、農村地帯であります真田地域及び武石地域の直近5年間の人口推移を見ますと、他の地域よりも減少率が大きいことから、今後の見通しにおきましても人口減少の傾向が顕著にあらわれてくるものと予測されます。 こうした中、昨年6月に国が実施しました都市住民の農山漁村への定住願望の有無についての世論調査によりますと、都市住民の31.6%が農山村などへ定住願望があり、特に20歳から29歳の男性では47.3%の願望がある結果となっております。また、半自給的な農業とやりたい仕事を両立させるいわゆる半農半Xという生き方に若い世代が関心を高めていると言われておりまして、このような田園回帰の動きを農村部への定住に結びつけていく施策が必要であると考えまして、例えばクラインガルデンの整備を初め、空き家バンクを充実するとともに、農地バンクの構築、家庭菜園から本格的な就農まで、ニーズに応じた農業指導の体制などを想定しているところでございます。 また、農業の稼ぐ力を生み出し、新たな雇用をつくる視点といたしまして、遊休荒廃農地の有効活用、大規模経営体の育成、6次産業化を通じた産地化やブランド化、地産地消の推進、またコミュニティビジネスの創出など、これらを推進する施策を盛り込んでまいりたいと考えています。そして、これらの移住、定住促進や農業振興の取り組みを地域おこし協力隊を活用して進めてまいることも考えております。 一方、農村部のコミュニティーの維持、活性化の視点も大切でございます。今後5年間で組み立てを目指す地域内分権に資する一括交付金などの施策を上田市独自の取り組みとして位置づけてまいりたいと考えています。武石地域における小さな拠点づくりなども想定しているところでございます。 続きまして、若者の雇用創出をどう予測するのかと、これを総合戦略にどう盛り込むのかというご質問でございます。上田市版人口ビジョンの策定におきまして、5歳年齢階級別の人口移動状況を分析する中で、男性は20歳から29歳、女性は20歳から24歳の若者層の転出超過が目立っておりまして、このことから進学や就職などを契機に上田市外に転出する若者層が多く、一方でこの層の上田市への転入が少ない状況が明らかとなっております。このため、いかに若者層の転出を抑制し、より多く呼び込むかが課題でございまして、転出抑制の視点では、さきの有識者会議におきまして、そもそも地域の学生が中小企業と接点を持つ機会がなく、地域の企業とよい出会いをすることが進路選択の流れを変えるのではないかというご意見がございました。 一方、地域の中小企業にとっては人材の確保に苦慮している現状もお聞きしている中で、これからは雇用のマッチングを拡充していく必要があると考えております。これまでも関係機関との連携により企業情報の発信、UIJターン促進、人材育成などに取り組んでおりますが、若者層には地域企業の魅力がしっかりと伝わり、企業側にとっては求める人材の確保につながるよう工夫を凝らした取り組みが必要と考えております。 また、若者を呼び込む視点では、若者の多様な生き方を支援していくことが重要と考えております。意欲ある若者のネットワークを生み出し、若者の起業や若者文化の活動、発信拠点とも言えるコワーキングスペース・ハナラボの事業展開を積極的に支援してまいりたいと考えております。また、テレワークにより市内に在住しながら首都圏の仕事を行うなど、新たな働き方を進める必要もございます。 さらに、雇用吸収力の高い地域産業の振興を図ることが重要な視点でございます。産学官連携の核でありますARECが持つネットワークと地域の物づくりの技術を生かし、今後成長が見込まれます次世代産業を生み出していくための取り組みが考えられますし、これまでの市の助成制度はどちらかと言えば製造業の新技術開発や設備投資を促すことに力点を置いてまいりましたが、金融機関と連携のもと、サービス産業などの他業種に拡充していく必要もあると考えております。また、雇用に直接結びつく企業誘致や本社機能の移転につきましては、上田市の気候や地理的な強みを生かし、ターゲットを絞った誘致を行うとともに、市の助成制度の見直しを視野に入れてまいりたいと考えております。 ご質問いただきました若者雇用創出数につきましては、若者層の転出超過という現状からも重要な項目でございますので、ただいま申し上げたような取り組みを通じた見込み数を今後設定してまいりたいと考えております。 続きまして、健康寿命を延ばす取り組みをどう施策に盛り込むのかということでございます。団塊の世代が後期高齢を迎えます10年後には、少ない現役世代で多くの高齢世代を支える社会が到来し、介護や生活習慣病等による医療費の増大が懸念される中で、社会保障支出を抑制する重要性が増してまいります。上田市におきましては、国民健康保険の加入者において生活習慣病の中でも糖尿病患者またはその予備群が増加する傾向にあり、糖尿病に係る医療費はこの5年間で1.6倍に増加しております。今後の健康づくりにおいて取り組む大きな課題となっております。 こうした中、市民一人一人が日ごろから心身の健康づくりに積極的に取り組み、高齢になっても生きがいを持ち、第二の人生においても継続的に就業し、活躍する健康長寿を未来にわたって継承していくため、本年度から新たな健康づくりのステージとして、健康幸せづくりプロジェクト事業に取り組んでおります。健康づくりチャレンジポイント制度事業を初めとする各種ウオーキング、信大医学部と連携して取り組んでいますインターバル速歩事業、今後に導入を予定しています健康クラウドシステムによる健康推進事業などを、ひと創生、まち創生の特徴的な取り組みとして盛り込むことを想定しております。また、健康づくりはさまざまな面からアプローチできますことから、食や農を生かす健康づくりや温泉地を生かした取り組みなども検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 上田市版の総合戦略の期間は5年間であります。市長は3月定例会施政方針で、従来型の発想にとらわれない上田市独自の施策に取り組んでまいりたいとしています。そして、市として地方創生の4つの基本目標、地方における安定した雇用を創出する、地方への新しい人の流れをつくる、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる、時代に合った地域をつくり、地域と地域を連携するの実現を目指すと強い覚悟を持って取り組んでいきたいとしていますが、5年間という歳月の中で新型交付金を含めた財源計画と今後のスケジュールについて伺い、3問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 先月4日に政府のまち・ひと・しごと創生本部が決定しました基本方針によりますと、来年度に地方創生の柱として創設する新型交付金につきましては、規模を1,080億円として、事業費の5割を国が交付し、残りの5割は地方が負担する仕組みとしております。本年度の先行型交付金につきましては、規模が1,700億円で、全額が国負担でございましたので、規模、内容ともに後退した感が否めず、再来年度以降の状況も不透明な中で、地方自治体といたしましては見通しが立てにくい状況にございます。 いずれにいたしましても、平成27年度の地方創生先行型を呼び水といたしまして、新型交付金の対象とするものは先駆性のある取り組み、または既存事業の充実を図る取り組みとしておりますことから、市といたしましては、新型交付金の有効活用を視野に入れ、総合戦略を策定してまいりたいと考えております。また、総合戦略を推進する5年間におきましては、目標数値や効果等の検証をしてまいりますが、その都度施策において必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 次に、第二次上田市総合計画について伺います。 今議会に平成28年度から平成37年度までの10年間のまちづくりビジョンを策定した第二次上田市総合計画案が提案されています。最初に、第一次上田市総合計画をどのように検証したか伺い、4問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 第二次総合計画の策定におきましては、まず各部課所において第一次総合計画の各施策につきまして進捗状況と達成度の評価を行うとともに、第一次総合計画の策定と現在との比較ができる形で市民アンケート調査を実施し、主な施策に対する市民の満足度の変化について評価、検証いたしました。このような検証を踏まえ、第二次総合計画に引き継ぐべきもの、拡充して実施するもの、新たな課題に対応するため取り組むもの、廃止、中止するものを整理し、これらを総合計画審議会の方々にお示しし、審議をいただいたものでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 上田市は合併して10年目を迎える節目の年となります。第二次上田市総合計画は計画策定から10年間のまちづくりビジョンであります。策定については、審議会の場に若者世代やまちづくり団体等のメンバーの皆さんとの意見交換会、新たな市民参加の手法を取り入れながら策定したとしてきておりますが、合併後上田市の人口、高齢化率の進行等大きく変化しております。そうした中での第二次総合計画の策定です。第二次総合計画の策定に当たり、達成度をはかるために必要な指標、目標値が重要であります。第二次総合計画案の特徴的な内容について伺い、5問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 総合計画は長期にわたるまちづくりの指針となるものであることから、市民ニーズや社会経済情勢の変化を的確にとらえ、時代に合った特色あるビジョンを描くことが重要となります。社会経済情勢の変化や人口、財政の見通しをもとに今後の行政運営のあり方を考察する中で、ハードからソフト重視へ、物質的な豊かさから精神的な豊かさへという視点が求められており、また市民アンケートやまちづくり座談会などを通じて安心安全への関心が高く、結婚、就業に対する個人の価値観も変化し、多様化してきていることが明らかとなりました。これらを踏まえ、上田市に暮らす「人」、まちづくりを支える「人」を中心に据える方向でまちづくりビジョン案の検討を進め、将来都市像を「ひと笑顔あふれ 輝く未来につながる健幸都市」と設定し、子供、若者、高齢者全ての市民が明るく、健康で暮らしやすいと感じられるまちを目指すという方向性を強調することといたしました。 一方で、地域が抱える課題や住民ニーズも複雑化、多様化し、行政だけで対応するのは非常に難しくなってきており、市民、地域、行政などが協働し、それぞれが役割を果たしていただくことがより重要となることから、重点プロジェクトに市民協働推進プロジェクトを設定するとともに、まちづくり計画の各節ごとに各主体に期待される主な役割分担を記載することといたしました。また、施策、事業の成果を客観的に評価できる仕組みが求められていることから、実施します施策と成果目標との対応を明確にし、施策の効果の進捗管理ができるよう、第一次総合計画では巻末に一括して掲載いたしました指標、目標値をまちづくり計画の各節ごとに盛り込むことになりました。このような点が特徴と言えるものと思っています。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 地方自治体が作成する総合計画は全ての計画の基本となるものです。また、上田市は自治基本条例第21条で、市は総合的かつ計画的にまちづくりを行うため、総合計画を策定し、その実現を図りますと規定しております。第二次総合計画は、特に地方創生に対する上田市版総合戦略及び人口ビジョンとの整合性にも留意し、新たな10年の展望をしっかり見据えた計画となるよう進めるとしていますが、具体的な考え方について伺い、6問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 総合計画はまちづくりを総合的かつ計画的に行うための最上位計画でございまして、実施計画や毎年の予算編成のベースとなることから、幅広い施策を網羅的に記載した計画となっております。一方、上田市版総合戦略は、人口減少と地域経済縮小の克服、まち・ひと・しごとの創生という大きな目的に視点を当て、地域資源を生かした施策や事業を盛り込む戦略的な計画で、これに基づき平成72年までの人口を推計するなど、人口の将来展望を明らかにするものが上田市版人口ビジョンでございます。両者とも上田市の活性化を目指すものでありまして、特に地方創生で進める人口減少、少子化対策は総合計画などで重点的かつ優先的に取り組むべき施策であることから、整合を図りながら策定することが重要であると考えております。 具体的には、子育て支援や起業、創業支援、移住、定住促進、結婚支援といった人口減少対策を総合計画の中で重点的に盛り込み、人口ビジョンの推計を活用し、平成37年時点での目標人口を14万6,000人以上と設定してございます。また、現在策定を進めています総合戦略の策定につきましても、総合計画に掲げる各分野の施策との整合を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) それぞれご答弁をいただきました。 次に、文化財の保護について質問をしていきます。上田市には国宝安楽寺八角三重塔を初め、国の史跡である上田城跡、信濃国分寺跡など多くの貴重な文化財が存在しております。最初に、国や県、市に指定されている文化財は幾つあるか伺います。 市民が必要に応じて住宅等で農地転用あるいは開発行為の申請をする場合、地下にある埋蔵文化財の所在の有無が大変重要になってきます。市は埋蔵文化財の調査はどのようにして行っているのか伺います。また、農地転用、開発行為等に係る申請を受けた場合、市役所内の農業委員会、都市計画課、土木課、土地改良課、建築指導課、さらには国、県など他の機関とどのような連携を図り維持管理しているのかも伺います。 国内では仏像等の文化財の盗難、破損等の事件が発生していますが、上田市では未然防止の対策はどのようにとられているのか伺います。 また、地下にある周知の埋蔵文化財についてはどのような管理をしているのか伺い、7問とします。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) まず、上田市における文化財について申し上げます。現在上田市には国宝、重要文化財など国の指定文化財が21件、県の指定文化財が25件、市の指定文化財が236件ございます。また、指定以外の文化財としては、国の登録有形文化財が9件、国の選択無形民俗文化財が3件、国の重要美術品が3件ございまして、以上297件の文化財がございます。 また、埋蔵文化財の調査は、どのように行っているのかということでございますが、埋蔵文化財とは地中に埋蔵されている遺跡や遺物のことでございまして、過去の発掘調査や分布調査により所在が確認されている場所は、周知の埋蔵文化財包蔵地と規定されております。この数は上田市内で約850カ所あると言われております。文化財保護法第93条の規定では、周知の埋蔵文化財包蔵地において土木工事など開発行為を行う際には、事前の申請と許可が必要と定められております。この規定に従いまして民間から大規模な開発事業の申請が出された場合は、都市計画課から教育委員会に申請書が送られ、当該地が埋蔵文化財包蔵地に該当するかを確認しているところでございます。また、個人住宅、店舗、倉庫などの小規模な開発事業につきましては、建築指導課と連携し、事業主または施工業者が教育委員会に照会し、埋蔵文化財包蔵地に該当するか確認していただくようお願いをしております。さらに、県や市が実施する公共事業につきましては、事前に関係部局と協議を行い、保護を図っております。 以上により、市内の周知の埋蔵文化財包蔵地において民間や公共の開発事業が申請された場合には、県教育委員会の判断によりますが、上田市教育委員会が立ち会い調査や試掘調査を行って記録保存に努めておるところでございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 文化財パトロールの件でありますけれども、国、県の指定文化財の点検のみでなく、市の文化財でも大変貴重なものがあると思いますので、国、県と同様に上田市も文化財パトロールを実施していくことが必要と考えますが、市の考えを伺います。 一つの提案としては、地域の文化団体に委託をして対応することも考えられますけれども、どうでしょうか。これにより市民の文化財の保護に対する意識の高揚につながり、文化財の盗難、破損等の事件の未然防止、さらには発生の抑制にもつながると思うわけでありますが、市の考えを伺います。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 文化財のパトロール、また維持管理についてのご質問でございます。県や国の指定文化財につきましては、県の事業といたしまして文化財パトロールが実施されておりまして、そこには市の担当者も同行して保存状況の確認をしているところでございます。市の指定文化財につきましては、その大部分が個人や団体等の所有となっておりまして、通常の維持管理につきましては所有者の皆さんにお願いをしているところでございます。また、台風とか災害の発生が懸念される場合には、その都度適切な対応をとっておるところでございます。 あとパトロールの実施に関しての提案でございますが、上田市の指定文化財につきましては、合併後に件数が飛躍的に増加した経過もございまして、必要に応じまして所有者の方と連絡をとりながら現状の把握に努めておるところでございます。一方、指定文化財につきましては、現地での定期的な保存状況の確認も重要であると認識しておりますが、現在天然記念物のマダラヤンマ等につきましては、市民団体にご協力いただいてパトロールが実施されております。今後建造物や史跡などについても、市民の皆様に文化財に対する関心と意識を高めていただくためにも、議員からご指摘、ご提案いただきました外部の市民団体と連携した文化財パトロールの実施方法について検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 ○議長(下村栄君) 小林議員。          〔24番 小林 隆利君登壇〕 ◆24番(小林隆利君) 答弁をいただきました。 次に、農政について質問をしていきます。国は5月26日に2014年度食料・農業・農村白書を閣議決定しています。日本農業新聞の記事によると、食料、農業、農村に震災復興を加えた章立てとし、特集では都市住民の若者を中心に見られる農村回帰の動きや新たな食料・農業・農村基本計画をつくり上げたとしております。引き続く農業就業者の減少と高齢化に警鐘を鳴らし、農業の構造改革の加速化の必要性を強調しています。農地の見通しと確保、農業構造の展望としては、今後10年間で全農地の8割について効率的かつ安定的な農業経営を営んでいる担い手によって利用される農業構造の確立を目指すとしておりますが、近年横ばいが続いているともしています。さらに、強い農業の創造に向けた取り組みとして、農地中間管理事業の推進、新規就農及び女性農業者の活躍推進、農業生産基盤の整備、保全等を、また地域資源を生かした農村の振興として、農業農村の持つ多面的機能の維持、発揮等について盛り込まれております。 そこで、農地の生産性の向上や農作業の効率化を図るためには、農地中間管理事業等を活用して農地の集積を進める必要がありますが、当該事業の進捗状況はどうか伺います。 現在上田市内の農村部では多面的機能交付金制度を活用し、地域住民の共同活動による農地、農業用水の管理や地域環境を保全する活動が展開されておりますが、この事業を実施している地域では担い手等の負担軽減が図られるなど、大きな効果を上げております。そこで、引き続き実施することが望ましいと考えますが、この事業の見通しについて伺います。 一方で、地元の推進組織では役員の高齢化などにより事務作業が負担となっております。そこで、行政の支援を得ながら事務を一元化することで各組織の負担軽減が図れないか市の見解を伺い、質問を終わります。 ○議長(下村栄君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 農政について、農地中間管理事業の進捗状況についてまずお答え申し上げます。昨年度制度化された農地中間管理事業につきましては、その実施体制を整備するとともに、借り手となる地域の中心となる経営体と、出し手となる地域の農業者への説明会を開催するなどして周知に努めてまいったところでございます。国全体では本制度の進捗がはかばかしくないなどと報道されておりまして、上田市においても初年度に実績を上げることは厳しいものと推測しておったわけですが、平成26年度におきましては、借り受け申し込みは87の経営体から、出し手側の申し込みは22の経営体からそれぞれございまして、塩田地区におきまして6人、合計3ヘクタールになりますが、この貸し借りがマッチングいたしまして契約の運びとなっております。 今年度におきましては、各地域に8人の専属推進員を設置するなど体制整備を行いまして、より細かく本制度の周知を図りました結果、現在のところ新たに36の経営体から借り受けの申し込みがあり、既に西部地区におきまして4人、合計で0.8ヘクタールの貸し借りの契約が成立しておるところでございます。 今後の見込みでございますが、現在県営の中山間総合整備事業を実施しております殿城、岩清水地区では、菅平からの出作の農家が行っている農地を対象に農地中間管理事業を活用したいとの動きがございます。また、東塩田地区の下之郷地域におきまして、約110ヘクタールのうち60ヘクタールを超える農地について貸し借りの契約が成立する見込みとなっております。同じく東塩田地区の古安曽地域におきまして、石神、柳沢、鈴子、平井寺の4自治会におきまして、本事業の活用に向け基盤整備済みの農地所有者に対し意向調査を実施し、現在その取りまとめを行っておるところでございます。 上田市におきましては、従来からの制度であります農地利用集積円滑化事業が比較的進んでいることもありまして、原則10年以上の貸し出しが義務づけられておりますこの農地中間管理事業への切りかえが進みにくいというジレンマも一部抱えておるわけでございますが、今後推進する地域におきましては、これら市内先進地域の事例を紹介する中で理解を深めてまいりたいと考えております。 次に、多面的機能支払交付金事業の見通しについて、またこれらを推進していく上で各組織の事務の一元化についてのご提案でございます。平成19年度から農地、水、環境の良好な保全と質的向上を図る地域共同の取り組みを支援するために実施されてまいりました農地・水保全管理支払交付金が、新たに日本型直接支払制度の一つとして平成26年度に法制度として位置づけられましたことから、今後とも予算の確保がなされ、安定的な組織運営が実施されていくものと考えております。また、この制度は施行後5年を経過した段階で事業の効果や取り組みの定着状況等を検証し、その結果に基づきまして必要な措置を講ずることになっておりますことから、平成31年度には過去5年間の検証がなされ、これ以降さらに充実した施策になっていくものと私ども期待しております。 次に、取り組み状況でございますが、農地のり面の草刈り、水路の泥上げ、農道の路面維持等の地域資源の基礎的保全活動を支援する農地維持支払の分野では、25年度からは農業者のみで構成される活動組織も交付対象となり、より事業を推進しやすくなりました。市内では平成26年度に新たに15の組織が設立されまして、現在単独の自治会単位あるいは複数の自治会を1つの単位とする36の組織が活動に取り組んでおります。この結果、この8月末までの数字でございますが、対象となる農地、農振農用地面積に対するカバー率でございますが、24%に達しておるところでございます。地域によりまして組織結成に向けて温度差もありますことから、今後も各種の機会を捉え、特に取り組みの少ない地域に重点的に担当職員を派遣するなど、制度の周知を図るとともに、上小地域における県の目標カバー率の43%を上回れるよう支援を進めてまいります。 このように地域での取り組みは拡大されている状況がございますが、事業を推進していく上では各組織の規模の大小を問わず事務局体制の充実が課題になると捉えております。そこで、土地改良区や地域自治センター単位で事務局を一元化するなど、各組織の事務の負担を軽減することが安定的、継続的に事業推進を図るための一つの方策と考えられますし、制度的にも可能でありますことから、今後は組織の皆様方との意見交換をし、ご意見を十分お聞きするなどして課題の解決に向けて取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 小林議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時38分   休憩                       ◇                                午後 3時55分   再開 ○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)市政について ○議長(下村栄君) 次に、質問第7号、市政について、佐藤清正議員の質問を許します。佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 通告に従い質問をいたします。 長野大学の公立大学法人化への対応についてお伺いをしてまいります。市長は本議会初日の市長の提案説明において、また先ほどの半田議員の質問に対しましても平成29年4月での公立大学法人化を視野に鋭意取り組んでまいりたいと強い思いを示しておられました。また、同日開催されました全員協議会では、公立大学法人化準備室を設けるための組織改正を10月に行うとのお考えも示されたところでございます。しかし、思いは思いとして、実際に法人化移行を進めるためには、指摘されている諸課題に合理的な根拠をもって応えなければなりません。議会としても真剣にこの示されるであろう根拠を検証し、一定の結論を出すことが求められることになります。また、そのためには議会自体が上田市が大学法人の設置者になるという課題に対処するために一層見識を深めるとともに、市民皆様の意見の把握に一段と努めなければならないと痛感しているところでございます。そこで、この公立大学法人化に当たり課題とされている事項に対する市の基本的な姿勢について5項目の質問をいたします。 1点目です。移行に向けて取り組む市の課題は何かということであります。検討委員会の報告書では、上田市に対する課題として2点、すなわち法人化によって大学の最終的な経営責任が市にあること、また運営費交付金について、基準財政需要額を超えない指針とすることが挙げられております。私は、今までに示された課題に対する考え方に大学、検討委員会、市の3者間に認識のずれを感じているわけであります。後ほど触れますが、例えば財政負担の問題であります。算定される基準財政需要額に対する地方交付税による措置額は市の財政力により算定されますので、実際に交付される措置額は今の水準で見ますと半額にも満たない額であり、残りを市の一般財源から補填しなければ基準財政需要額になりません。これは、上田市に財政的負担をかけないとする長野大学の考えにも反することになります。また、最終的経営責任について、報告書では相当な覚悟で臨むことを指摘しております。実際問題として、最終的経営責任をどうとるのでしょうか。経営の行き詰まり等で事業からの撤退をするようなことができるのでしょうか。また、そのような事態を大学は覚悟できるのでしょうか。市として法人化の課題をどう考えているのか、お尋ねいたします。 ○議長(下村栄君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 佐藤議員の質問に答弁いたします。 まず、市の課題ということでございますが、1つに大学の運営経営上の課題、2つに財政上の課題、この2点があろうかと、このように思っています。公立大学法人化は上田市が設置する大学として、理事長も市長が任命するものであり、大学経営の最終的責任を負うものとして重く受けとめております。長野大学も本州大学と呼ばれていた昭和40年代には入学者が定員に達しない状況が続き、経営陣が交代し、また一方で長野県知事初め長野県として、あるいは上田市、塩田町が支援をし、いっときは学生の募集を停止して長野大学として再出発したなど、過去経営に苦労をしていた時期があったわけでございます。公立大学法人化した後にも将来少子化の進展とか大学自身の魅力がなくなるなどを原因として志願者が集まらずに経営が逼迫した場合には、引き続き運営費交付金で補填していくのか、または大学を閉じるのか、大きな選択を迫られるというようなこともあるかもしれません。この場合、これ以上大学を当地域で継続できないと市が判断すれば、法人の解散を選択し、設立団体である市が責任を持って処理すること、これも言うまでもないところだと、このようには思います。こうした重い責任を負うことを覚悟しながら、大学側にも当然のこととして相応の覚悟を持ってもらい、志願者が集まる魅力ある大学であり続けられるよう、大学の運営にかかわっていかなければならないわけでございます。 そのような中で、財政面の課題といたしましては、これまで国から大学に交付されていました私立大学に対する補助金にかわって、公立大学法人化後に設置者である上田市から大学に毎年交付することになる運営費交付金についての検討がございます。この検討委員会報告書におきましては、地方交付税法の規定によって算定した基準財政需要額を超えない支援としておるわけでございます。議員ご指摘あったとおり、この地方交付税というのは、税収等の上田市の財政力によって影響されたり、算定された基準財政需要額が全額交付されるわけではなく、大学を設置した場合に算定される基準財政需要額分を全額大学に交付することは市税等も投入していることとなるとの考え方も一方ではあろうかとは思います。 しかし、交付税においては大学運営経費が基準財政需要額として算定されるわけで、公立大学法人を設置することでこの運営経費分が増額されますので、通常経費に充てる運営費交付金はこの算定額を上限とする、こうした考え方を踏まえて検討してまいりたいと、このように考えております。 さらに財政的に検討しなればならないこととして、大学の施設の更新費用の考え方がございます。今後の施設更新においては、基本的には大学の積み立てを使うということを考えております。しかし、そのほか市として将来に備えた財源措置していく必要はないのか、また施設更新の考え方をそういったものも含めて今後整理してまいりたいと、このように考えております。 こうした課題に応えていくためにも、この10月には公立大学法人化準備室、これを立ち上げてさまざま検討も進めながら事務作業を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 準備室のお話をいただきました。私は、準備室の取り組みについては、結果だけではなく、その検討過程もできるだけ公開し、透明感を持って進めていただきたいと考えているところでございます。 次に、報告書では大学が主体的な意識を持って抜本的な改革に取り組むことを求めております。また、上田市が求められる覚悟を同時に長野大学にも求めることを訴えております。やはりこの問題は大学の覚悟とみずから行う大学の改革にかかっているものと思います。それができるのかできないのか、これを見きわめなければ法人化への移行は考えられないものと思います。改革の道なくして法人化の道なしであります。 2点目として、市は大学法人化をするとすれば、長野大学に法人化する前に大学がみずから行う改革に何を求めるのか、お伺いいたします。 文部科学省では平成19年に公立大学の法人化を契機とした特色ある取り組みについてアンケート調査を実施しております。その結果を公表しております。例えば、学部、学科編成など、大学改革をしようとすれば教員人事の課題が生じます。柔軟な人事制度とするため、任期制や年俸制、また裁量労働制の導入などの事例が紹介されております。長野大学でも平成16年度に学長を含め全教員を対象とした任期制を全国に先駆けて導入した経緯があるということであります。今回の懇談会の中では積極的な紹介がなされていません。そのことからも大変難しい問題だと拝察するわけですが、大学の改革に臨む覚悟をどう担保するのか、市は把握する必要があると思うわけですが、いかがでしょうか。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 大学において企業や団体が求める人材を育成するためにも、きわめるべき学問領域、望ましい学部、学科編成、大学院の設置などの改革については、大学として検討していただかなければならないと考えております。実現までには検討する時間と学部変更の国への申請手続などに一定の時間がかかることから、法人化移行前に実現することは困難と考えておりますが、大学には法人化移行前からその検討に入ることを求めてまいりたいと考えております。また、その検討には産業界からの意見も聞くなど、外部専門家を含め、改革検討委員会の設置が望ましいと考えております。 議員指摘のように、新たな学部、学科編成には現在の教員の人事面での課題が生じます。ご指摘の教員の任期制につきましては、採用する教員の教育研究活動の業績を向上させることを目的に、5年間の任期内に業務審査を受けさせる制度で、再任用が適当と認められれば定年まで継続雇用になれるという制度でございます。年俸制につきましては、特任教授あるいは再雇用の職員、高等学校等の校長を経て60歳を超えて採用された教員などが該当しております。こうした人事制度が改革を実行したときに有力な手段となるのか、実情を踏まえた慎重な検討が必要と考えております。また、学部、学科編成の検討の中で既存の学部に新たな分野を拡充するなど、教員人事に影響の少ない編成も考えられますので、総合的に勘案しながら検討していただく必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 改革の方向性について、移行前に検討するには時間が足りないというようなお話でありますけれども、本当に大切な問題だと思います。真剣に議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。 3点目です。長野大学が示した公立大学法人として担う課題とそのためのシステム構築について市のお考えをお聞きしたいと思います。人口減少を食いとめ、定住人口を維持、増加させながら地域力を向上させることが上田地域の課題であるとした上で、地域人材の循環システム及び産学官連携会議による地域づくりの総合推進センターの設置を含む地域課題解決システムを構築したいとしています。このことは、上田市民が求める長野大学の大学像や長野大学の学生像にかかわる課題だと思います。長野大学に何を求め、学生に何を求めるのか、学生の就職先となる産業界や協働してまちづくりを進めることになる市民が共有できる大学像をどのように集約していくのか、お伺いいたします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 新しくスタートいたします公立大学法人は、企業や団体が求める人材を育成して社会に送り出すことができる大学であること、また大学の教育研究、地域貢献活動を通じて市民や企業に支持される大学にしていくことが求められると考えております。学生には意欲的に学び、地域の課題の解決に取り組み、地域とかかわる中でこの地域に就職してくれる学生がふえることを望んでおります。今後議会の皆様のご意見をお聞きするなど、具体的に大学像を大学の意見を聞きながら検討し、市として公立大学法人化後の大学の姿を提案できる状況になり、公立化の方針が決定したところで、市民が求める大学とはという観点につきまして市民懇談会を設けて検討してまいりたいと考えております。 また、先ほど申し上げましたが、どの分野の教育研究が望ましいのか、あるいはきわめるべき学問領域や望ましい学部、学科編成などについての大学の改革を進めるという課題につきましては、大学改革委員会を設置して、大学運営者や産業界などの専門的な方の意見を聞くことが必要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 市民懇談会のお話いただきました。ぜひとも市の考え方をわかりやすく市民に示していただき、広く市民の皆様の意見を聞き取っていただきたいというふうに思うところでございます。 4点目です。一番の課題であります財政負担の問題であります。先ほど述べましたが、長野大学では上田市には財政負担をかけない公立大学法人化を行うとしていますが、一方検討委員会の報告書では、最終的経営責任を果たす上でも財政的にも人的にも負担があるとしています。また、細かい話になりますが、大学で示した財政シミュレーションと市が示したシミュレーションでは定員の考え方、いわゆる定員の水増しの考えの差があります。運営費交付金に対する考え方が全く異なっております。双方が共有できるシミュレーションを提示して、今後移行したとすれば市が負担することになる大学運営費や施設更新に係る費用、また新たに構想されている地域づくり総合支援センター等の事業費用などの総額を示し、今後市としての負担することとなる費用に限度額を設けるなど上限を示すべきと思いますが、市のお考えをお伺いいたします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 長野大学の建物は、開学当初に建設いたしました1号館と2号館は50年近く経過しておりますが、3号館から9号館につきまして順次建設され、一番新しい9号館としての図書館が18年前の平成9年の建設でございます。これらの施設の更新費用につきましては、現在の大学に積み立ててあります減価償却特定資産と施設拡充特定資産の合わせて40億円近くの資金をまずは充当していただくことを想定しております。この積立金を利用することを前提とした中で、先ごろ市で作成いたしました公共施設白書の施設更新の考え方、30年経過で大規模改修、60年で建てかえを前提として、今回既に30年以上経過している建物については大規模改修を行わないこととして、大学の今後の施設更新費の試算をしてみました。その結果、現存する建物を9号館まで全て更新することになる42年間の間に先ほどの積立金を使う前提とした試算では、公立化後毎年1億1,000万円の積み立てが必要となります。これは、大学が構想している新たな体育館の建設や学部、学科編成の改革により必要となる施設整備など施設拡充の要素は考えずに、あくまでも現在の建物を同面積で建てかえた場合の試算でございます。 続いて、この施設更新の試算を前提といたしまして、毎年1億1,000万円の積み立てをすることとして、大学の主な収入源であります授業料や入学金などの学生納付金と市から交付する運営交付金の額の試算を定員の1.15倍あるいは定員と同じ、定員に満たない0.9倍の場合の試算で上田市としては試算をしてございます。まず、試算では大学4年間の学生納付金の総額を現在の額よりも低くすることを条件として、定員の何倍かの学生を確保した場合に、基準財政需要額を超えない運営経費で大学が運営できるかを試算したものでございます。 まず、国立大学の定員超過の基準を参考に、許容される超過率でございます定員のおよそ1.15倍の入学者を確保した場合には、施設費、研究演習費を現在の額より下げても大学への運営交付金は算定される基準財政需要額の上限までにはまだまだ余裕がございます。入学者が定員と同じ1.0倍、定員と同じ場合には、施設費、研究演習費を現在の額より下げても運営が可能でございますが、大学への運営交付金は基準財政需要額の上限に近い数字となります。また、入学者が0.9倍になった場合は、施設費、研究演習費が現行額のままでも、私立の現行額のままでも基準財政需要額の上限を超えてしまう運営交付金になることになります。 こうした試算から、入学者が毎年変動しますし、施設建設費も毎年度のように変動しますので、運営交付金につきましては、一律にその額を幾らと毎年規定することはできません。ただ、定員を確保していただければ施設更新費の費用を積み立てて施設費、研究演習費を現在より下げても検討委員会報告書に課題として挙げられている基準財政需要額を超えない支出とすることでこれを上限とすることができると考えています。 また、地域連携の拠点として大学が想定しています地域づくり総合支援センター、この費用の積算はしておりませんが、この費用につきましては、地方創生の新型交付金の活用を検討しております。また、そのほかに上田市が政策的に事業を大学に委託するなどの費用につきましては、通常の運営費交付金には入れずに、別途の交付金にすべきと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) ただいまご説明いただいた学校の定員についての超過、あるいは割り増し、あるいは水増しということだと思いますけれども、そういったことを前提としてシミュレーションするということについては私はいささか異議を覚えるわけでございます。確かに先行して法人化を進めた大学の中では大幅に応募定員もふえているような状況あるわけなのですけれども、いずれにしても対象学齢の人員が減ってくるということが前提になっての改革でございます。将来的に定員割れも懸念されるところでありますけれども、最初からそういった定数よりも多く採用するという前提の話はもっと慎重に検討されていいのではないかというふうに思っているところであります。 次に、今年度中に議案として上程したいとしている公立大学法人の定款についてお尋ねしたいと思います。公立大学法人は市が設置する法人ですので、その定款にうたわれる目的の条項は、大学の理念に合致し、市民が理解し、共感し、市民協働の目標となり得る目的が内容でなければならないと思うわけですけれども、この定款の目的の条項に定める内容を市ではどう考えているのか、お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 定款では地方独立行政法人法に基づき、法人の目的や役員、業務の範囲、資本、その他必要事項などについて大学の基本的な事項を定めることとなっております。その中の目的には、大学の理念や方向性を記載するものであり、端的に抽象的に目指す大学像を表現するものでございます。盛り込む内容につきましては、大学の意見を聞きながら具体的には今後の検討になりますが、方向性といたしましては、どのような大学を目指すかについて、大学本来の目的であります教育研究活動の推進にかかわることや、新しい道を切り開く人材育成の視点、公立大学法人として地域社会への貢献に関すること、地域社会における知的な拠点となることなどを盛り込んでいきたいと考えております。 いずれにいたしましても、財政負担、大学の将来像、改革などについて議員の皆様のご意見も聞きながら定款に定める内容を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 公立大学法人化についてご答弁をいただいてまいりました。いずれにいたしましても、公立大学法人に移行するとすれば、将来にわたってその責任を市が負い続けることになります。市民の支持なくして進められるものではないと思うところでございます。 次の質問に移ります。上田地域の近代化を担った産業遺産の保全と活用についてお聞きしてまいります。富岡製糸場と絹産業遺産群や明治日本の産業革命遺産群が世界遺産に登録されたこともあり、近年日本の近代化を担ってきた産業遺産への関心が高まってきております。地元の身近な有形無形の遺産を掘り起こし、歴史的価値を見直し、保全に向けた取り組みを行う中で、文化庁が主催する日本遺産への登録を目指す等、地域を挙げての活動を展開する市町村がふえてきております。 そこで、まず次の2点について質問をいたします。今上田市が把握している市内の産業の近代化遺産にはどのようなものがあるのか。また、その保全と活用に向けて所有者との連携はとれているのか、お聞きいたします。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 上田市の近代化を担った産業遺産の保全と活用についてご質問をいただきました。近代化遺産は、幕末から第2次世界大戦期までの間に建設され、我が国の近代化に貢献した産業、交通、土木に係る建造物を指しております。上田地域における近代化遺産といたしましては、「蚕都うえだ」と言われるとおり、製糸業と蚕の蚕業がその筆頭に挙げられ、国指定の重要文化財旧常田館製糸場施設を初め、上田蚕種協業組合事務棟などの登録文化財が6件、畑山発電所跡など市の指定文化財が5件の合計12件がございます。そのうち市の所有は3件となっております。また、そのほかに指定や登録にはなっておりませんが、風穴でありますとか駅舎など数多くの遺産が存在しております。 保全面におきましては、現在国、県の指定文化財として指定あるいは国の登録文化財として登録されている文化財につきましては、県が実施する文化財パトロールで市の担当職員とともに定期的な点検と現状の把握に努めております。 また、保存事業における連携に関しましては、国の重要文化財であります旧常田館製糸場施設におきましては、保存活用計画の策定や防災施設設置事業等に所有者と連携しながら事業を進めておるところでございます。このほかにも文化財指定や登録の際、あるいは修理や保存等について所有者の方からご相談をいただいており、相互に密な連携を図っております。 活用の事業につきましては、一例ではございますが、今年度からの新規事業として、文化財de文化祭事業を実施しております。この事業は、コンサート等の舞台として文化財を活用し、市民の皆さんが文化事業を楽しみながら気軽に文化財への理解を深められる機会をつくる事業でございます。1回目は、重要文化財の旧常田館製糸場施設を活用いたしました。今後2回目といたしまして、登録文化財の信州大学繊維学部講堂を活用して実施する予定でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 民間が所有する遺産の保全については、通常の管理から施設の老朽化対策、そして耐震対策など大変な労力と費用がかかっているものと推察するわけですが、その保全について積極的な支援はできないのか。その具体的事例としてカネタの煙突の保全をどう考えるか、お伺いしたいと思います。 カネタの煙突は、合併前の丸子町の製糸のまち丸子のシンボルとして地元では大変に親しまれてきたものであります。大正9年に約10万個のれんがを積み上げ建設された煙突は、高さ36メートルにも及ぶ威容を誇っていたということであります。倒壊の危険が生じたことから、平成7年に約11メートルを残し上部が取り壊されましたが、県内唯一のれんが積みの巨大な円筒形煙突は産業遺産としての価値も高く、近代化産業遺産に登録され、市の指定文化財にもなっております。保全と活用に向けた市のお考えをお尋ねいたします。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 民間が所有する遺産の保全費用について積極的な支援はできないかということで、具体的にはカネタの煙突の保全についてのご質問をいただきました。民間の皆さんが所有する遺産の保護につきましては、文化財指定や登録制度を活用した行政による支援制度があります。したがいまして、文化財の指定となっていないものについては、現段階では財政的な支援は制度的に困難ではありますが、所有者と住民、有識者の皆さんの合意形成により指定、登録されることにより、補助金による支援が可能となります。 その補助金の内容ですが、現在重要指定文化財の文化財保護につきましては、修理費等について文化庁が10分の5、残額の10分の3を市で補助しております。登録文化財につきましては、修理、保存のための設計管理費の10分の5の補助制度がございます。また、市の指定文化財の保護につきましては、事業費の10分の3の補助を単独で行っているところであります。 さて、議員が具体的にご提案ありましたカネタの煙突でございますが、れんが製で円筒形の煙突は県内では唯一のものでありまして、丸子町発展の基礎となった製糸業の近代化遺産として大変貴重な遺構として、平成7年に当時の丸子町教育委員会によって文化財に指定されております。この文化財の保全につきましては、最近亀裂やれんがの劣化が確認されましたので、早速この分野の文化財の専門家に調査をしていただき、その結果を踏まえて保存のための対応策を検討しているところでございます。今後煙突の耐力検査等を実施した上で、その保全策を検討していく予定でございます。 カネタの煙突のような個人所有の文化財の保全と活用につきましては、地域の産業の歴史を物語る宝として活用していくという地域の確固たる意思と合意形成がまず第一に必要であると考えます。その上で地域と行政との協働体制により保存と活用に向けた取り組みをしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 地域の確固たる意思と合意形成がまず第一といった指摘がございましたけれども、私はむしろ文化財として指定している市の立場から、そのものの価値や学術的な知見からの重要性、そういったものをもっと市民に知らせることが第一ではないかというふうに思うところでございます。 次に、去る8月21日に市の公文書保管施設整備に関し、丸子郷土博物館の第2展示室と特別展示室、研究室、収蔵庫を公文書館とする案が示されたとの報道がありました。地元では唐突な報道に驚き、郷土の宝とも言える収蔵品がどうなってしまうのか、不安の声を寄せた方もありました。現在展示している資料の一部は他の施設に移管とのことでありますが、長年にわたり住民の熱い思いの中で収集され展示されてきた貴重な製糸産業の歴史的資料はその地域に由来するものであります。貴重な資料の展示や収蔵、また調査研究の場を市はどう考えているのか、お尋ねいたします。 また、上田市には塩尻地区の蚕種業や丸子地域の製糸産業、それを支えた鉄道などの近代交通網の遺産や、上田地域一帯に残る蚕室づくりの民家や養蚕にまつわる行事など、この地域の原風景とも言うべき景観がまだまだ相当な面的な広がりを持って残っております。今でなければできない事業だと思います。冒頭でも申し上げましたが、これらの近代化の産業遺産群を文化庁が認定する日本遺産へ登録し、国の内外に向け発信し活用するといった考え方はないのかお聞きし、最後の質問といたします。 ○議長(下村栄君) 西入教育次長。          〔教育次長 西入 直喜君登壇〕 ◎教育次長(西入直喜君) 最初に、公文書館予定施設になっている丸子郷土博物館の収蔵資料をどう保存、活用していくかというご質問についてご答弁申し上げます。 初めに、8月21日の新聞報道につきましては、現在上田市の公文書館のあり方について、市公文書館整備検討懇話会で有識者による具体的な検討を行っております。その中で公文書館の候補施設の一つとして丸子郷土博物館との併設案をお示ししたものでございます。丸子郷土博物館を公文書館と併設とする案につきましては、去る7月28日の丸子地域協議会においてご説明をし、地域協議会からはさまざまな質問やご意見をいただきました。丸子郷土博物館には依田社などの近代製糸業に関係した資料、製糸PRフィルム、写真などを収蔵、保存しておりまして、郷土博物館第2展示室において貴重な関係資料を公開しておるところでございます。こうした資料は長年にわたる地元の皆さんの熱心な協力により収集された貴重な資料であると認識をしております。その保存や公開、調査研究、活用に当たりましては、教育委員会といたしましても十分に検討してまいりたいと考えております。 続きまして、上田市の近代化遺産群をどう活用していくのか、日本遺産への登録はどうかというお話でございます。上田市には指定や登録の文化財が297件ございますが、近代化遺産を含め、これら多くの文化遺産を有する上田市が日本遺産を登録するということについて、まず日本遺産についてご説明申し上げますが、日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化、伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものでございます。どの文化財もある日突然にそこに存在したものではなく、その文化財が存在する以前のその土地の歴史や風土、守られてきた自然環境、そして今日まで守ってきた人々の営みなど、多様な背景や要素があります。また、幾多の文化財が互いに関連し合いながら成立してきた経過がございます。これらがその土地の歴史や文化の厚みを表現するものであり、いわゆるストーリーを構成する要素となるものであります。平成27年度に認定されました日本遺産は18件ございます。国では2020年までに100件程度にふやすという予定でございます。認定されますと当該地域の認知度が高まるとともに、遺産を通じたさまざまな取り組みを行うことにより、地域住民のアイデンティティーの再確認や地域ブランド化にも貢献し、ひいては地方創生に大いに貢献するものとなると期待されております。 しかし、日本遺産の登録申請はすぐにできるものではなく、そのストーリーづくりのために各自治体において文化財のマスタープランと言われる歴史文化基本構想を文化庁の補助と助言を得て策定しておくことが大切な要件となっております。歴史文化基本構想では、指定文化財や未指定の文化遺産を含め、その周辺環境もあわせて総合的に保存、活用するための方針等を定めることにより、文化財保護に関するマスタープランとしての役割を果たすことが期待されております。 上田市におきましてこの歴史文化基本構想の構成を想定した場合、信濃国分寺跡を起点とする仏教文化財群や、上田城を核とする中近世の城郭群、そして蚕都うえだの養蚕製糸の近代化遺産群など3つのテーマが柱になると考えております。この歴史文化基本構想の策定により、学校教育、社会教育、そしてまちづくりのストーリーの核ができることとなります。さらには、歴史的建造物の歴史的風致に係る具体的な整備や維持に関して国からの支援を受ける際必要となる歴史的風致維持向上計画の策定にもつながるものと考えております。 このようなことから、第二次上田市総合計画のまちづくり計画におきまして、事業計画として歴史文化基本構想の策定を掲げております。この基本構想の策定の中で蚕都うえだの近代化遺産群をまちづくりに活用することも踏まえ計画化する予定でございますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 佐藤清正議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時37分   休憩                       ◇                                午後 4時55分   再開
    ○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(8)長野大学公立大学法人化について ○議長(下村栄君) 次に、質問第8号、長野大学公立大学法人化について、渡辺議員の質問を許します。渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 長野大学公立大学法人化について伺ってまいります。 さきの6月議会にこの課題を取り上げました。答弁は来年4月公立法人化に向かっているというものでありました。この間4回の議会と大学、議会と行政との懇談会が行われましたが、上田市として公立化してまで長野大学を守らなくてはならない価値はどこにあるのか、ここがすっきりと解明されたわけではないと私はまず認識しています。今の長野大学の評価、その上でのかかわり、上田市の戦略がまだはっきり見えてきません。上田市が将来にわたって税金を入れてでも守っていくという判断基準でありますけれども、まずは現行行われている大学での教育サービスの中身の評価だと、このように考えます。教える人間と教えられる人間がいて、教員が今どういう教育サービスをしていて、学生がどのように成長しているのか、成長していないのかというところをちゃんと見て判断すべきだ、こういうことではないでしょうか。そこをみんなで確かめて判断しようということだというふうに思います。そのために時間が必要ということになれば、それはそれで正論であります。この間私も地元ということもあっていろんな場面で話題になりますが、皆さんの声はなぜということであります。そのことも含めて、まずそもそも論から伺います。公立大学法人化の動機についてであります。 1点目、公立大学法人化とはどのようなものなのか。 2点目、市は長野大学をなぜ公立大学法人化するのか。 3点目は、公立大学法人化されると長野大学はどのように変わるのか。 4点目は、公立大学法人化で学生にとってどのようなメリットがあるのか。また、上田市にとってどのようなメリットがあるのか。 5点目は、中期目標、中期計画とは一体何なのか。 以上5点伺い、最初の質問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、公立大学法人とはどのようなものであるかというご質問でございます。公立大学法人とは、大学改革の取り組みの一つとして平成16年4月に施行された地方独立行政法人法の中に定められたものであります。大学の運営を行政から切り離し、独立した法人格を与えて、民間的手法を取り入れながら業務の質の向上や活性化、効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上に転換することを目的とするものであります。公立大学法人の設立自体は、法施行以前からの公立大学のように直接運営するのではなく、大学の運営をチェックする立場となる制度でございます。 続きまして、市はなぜ長野大学を公立大学法人にするのかというご質問でございます。18歳人口が極端に減り始める2018年問題が目前に迫る中、長野大学では教育改革や地をはうような学生募集活動を行ってきたにもかかわらず、平成25年まで定員割れの状況が続いてきており、地方の私立大学である長野大学にとってこのままでは特に存続が厳しい状況にあります。一方、長野大学の就職決定者の約8割は長野県内に就職しており、特に社会福祉学部は地域の社会福祉法人等に多くの卒業生を輩出しております。また、入学者の8割が長野県内出身であり、県内の高校生の受け皿として重要な役割を担うなど、地域にとって必要な存在となっております。この地域に大学があるということ自体が若者の人口の増加につながるとともに、教職員と学生の消費支出や大学運営に係る支出などの経済波及効果をもたらすことになります。大学の設立時においては、旧塩田町が敷地と資金を提供して開学し、歴代の町長、市長が理事として運営にかかわり、財政面でも補助金による支援をしてきた経過から、上田市として大学を存続させる責務があると考えております。 公立大学法人化することで志願者がふえることは、先行して公立大学法人化した大学の例を見ても明らかであり、入学者を安定的に確保することで経営の安定がもたらされます。また、これまでのように学生募集に重きを置く必要がなくなることから、教員が教育研究の質の向上に専念できるということになります。地方創生の観点から、地元の学生が地域の大学へ入学し、さらに地元の企業へ就職するという人材の循環を可能にし、上田地域の学生の定住と地元産業の活性化を図る拠点にするためにも長野大学の公立大学法人化を起爆剤にしたいと考えております。 続いて、公立大学法人化すると長野大学はどのように変わるのかということでご質問でございます。公立大学法人化することで志願者がふえることで今まで以上に優秀で意欲的な学生を確保し、また大学としては今まで苦労してきた学生の確保から教育研究の質の向上へと力点を変えることができます。教育の質の向上によって地域の企業が求める人材を地元の大学として育成、輩出し、ひいては若者の定住にもつなげ、地域の活性化や地方創生の実現を目指せると考えております。公立大学法人化後は、設置者であります上田市、地域、地元企業が抱える課題解決を目指して、大学が持つ知的資源を活用した今まで以上に地域貢献ができるようになり、上田市にとっては大学と連携した施策の実施が可能となるとともに、シンクタンク的な機能を担っていただけるものと考えております。 続いて、学生にとってどのようなメリットがあるのかというご質問でございます。長野県内の学生の県外大学への進学率は約85%と全国でも高い水準となっておりますが、国公立大学に対する根強い人気、信頼感があることから、これまでであれば長野県外への進学を選択するようなケースに該当していたであろう上田市内や長野県内の優秀な学生にとって今後有力な選択肢となります。 また、経済的負担についてのメリットについては2点ございます。まず授業料につきましては、今後検討、決定していくことになりますが、国公立並みに設定することを想定しておりまして、現行より負担を下げることができます。もう一点として、東京を初めとする物価が高い3大都市圏に進学した場合など、下宿が伴うため下宿代や生活費などの負担が大きい状況にありましたが、自宅から通学できたり上田市内に下宿を構えたりできるため、遠方の進学によって発生するような負担が解消または軽減につながります。このように保護者も含めて多大なるメリットがあると考えております。 続いて、上田市にとってどのようなメリットがあるのかというご質問でございます。第二次上田市総合計画のまちづくり計画などで位置づけた大学などの高等教育機関との連携による学園都市づくりにおいて、長野大学が地域貢献度ナンバーワンの実績を生かして中心的役割を担っていただくことができます。具体的には、上田地域を初め県内外から今まで以上に優秀で意欲的な学生を確保し、企業や団体が求める人材を育成して地域社会に送り出すという地域内の人の循環システムをつくり出すことで地元への定着と県外出身の学生の定住につながり、上田市の人口減少に歯どめをかけられると考えております。また、今まで以上に長野大学と連携した施策の実現が可能になるとともに、地域課題解決のためのシンクタンク的な役割を果たし、起業支援や地域づくり活動などの取り組みを行うことができます。さらに、上田市の施策といたしまして、大学を活用した市民の皆さんを中心にした学習の場を提供し、社会人の皆さんとしてはキャリアアップの機会が得られるようなことが挙げられると思います。 続きまして、公立大学法人化する際に必要とされる中期目標、中期計画とは何かというご質問でございます。中期目標とは、地方独立行政法人法の規定により公立大学法人が達成すべき業務運営に関する目標のことで、期間は6年間とされております。市はあらかじめ公立大学法人評価委員会と大学の意見を聞き、その意見に配慮した上で目標を定め、公表することとなっております。中期目標に定めるのは、目標期間のほか、住民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項、業務運営の改善及び効率化に関する事項、財務内容の改善に関する事項、教育及び研究並びに組織及び運営の状況について、みずから行う点検及び評価並びに当該状況に係る情報の提供に関する事項、その他業務運営に関する事項であります。中期計画とは、ただいま申し上げました中期目標を確実に達成するためにとるべき措置などについて定めることになっており、大学が定め、市長の認可を受ける必要があります。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 冒頭申し上げましたが、6月議会に続いての質問でありました。大分整理をされたなという気は率直にしているところでございます。ただ、我々議員はこの間何度か懇談会を持って一定の水準には達してきているのかなと思いますけれども、我々の後ろには多くの市民がいるわけであります。そういった点では改めて思うのは、本当に市民に望まれて公立化をすべきだと、ここのところにさらなる知恵とご努力が必要かなと、こんなふうに思うところであります。 次に、長野大学の評価と公立大学法人化の課題について伺います。評価についてでありますけれども、地域貢献度の話がございました。ただ、高く評価されている、この点では長野大学の努力があった結果であります。ただ、公立大学法人化したからさらに評価が上がるとは限りません。長野大学を公立大学法人化したとして、志願者はふえても大学の評価が高まるわけではないという現実があろうかと思います。結局は長野大学の理念や方針が支持されなければならないということであります。それへの上田市としての評価であります。長野大学の他校にない特徴をどのように捉えているのか伺い、第2問とします。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 長野大学は全国に先駆けた公設民営方式による4年制の私立大学として昭和41年に旧塩田町に設立されました。この特徴として考えられるものについて、学生に対するサポートが非常に手厚い大学であることが挙げられます。教職員が一丸となって学びと生活面のサポートや障害のある学生への学習サポートに取り組んでおります。特に障害のある学生の在籍比率が全国でもトップクラスでありますが、障害のある学生に対して、学生はもちろんのこと、地域の方にもノートテイカーとして協力いただいているほか、文字を自動で点字に訳す機器が導入されるなど、学習支援が大変充実しております。また、日本経済新聞が行った大学の地域貢献度ランキングにおきましても私立大学部門で5年間連続で1位となったことからもわかるとおり、上田市など市町村や地元企業、あるいは地域に対する貢献度が非常に高いことが挙げられます。このほか、社会福祉士の国家試験の合格率が平成26年度には65.5%と、全国平均の27.0%を大きく上回っていることも大いに誇れることであります。このように上田地域に根差し、地域とともに発展を遂げてきた大学であると考えております。 以上です。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 私も直接大学で教員の方とお話もさせていただきました。学生サポートという点で非常に自信を持っていらっしゃるというのは実感をしたところであります。具体的に3点伺います。 1つは、まちづくりの研究であります。今実際長野大学では上田以外の他の自治体とも連携、協働が行われていますけれども、具体的に上田市は今まちづくりという点で何を長野大学と一緒にやっているのか伺いたい。そして、それに対する評価はどうか、伺いたいと思います。 私個人的に興味があるのは環境ツーリズム学部であります。教育目標として持続可能な地域づくりを担う人づくりを明確に打ち出し、地域社会に生きる学生の成長像を定義しています。それについての評価もあわせて伺います。 さて、上田市内には信州大学繊維学部があります。ここには地域の産業界からの要請もあって産学官連携施設AREC、Fiiプラザがあります。物づくりの拠点としてその役割を果たしていますが、実態調査や分析、地域産業政策形成における文系的な産学官連携で地域貢献、地域連携に長野大学の果たす役割があると考えますが、市の考えはどうか伺います。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、まちづくりなどの研究など他の自治体では長野大学との連携行われているけれども、上田市は具体的に何があるのかというご質問でございます。上田市と長野大学との連携につきましては、平成15年3月に包括的連携に関する協定書を締結し、地域づくり、情報、健康福祉、環境・観光という4つの分野について連携、協働をしております。また、平成18年2月には信州の学海プロジェクトを締結し、官学連携の拡大による魅力的な上田地域のまちづくりを推進するため、学校支援ボランティアとして学生さんを市内の小中学校に派遣していただいたり、上田4大学リレー講座などで市民向けの講座を行っていただいたりと幅広く活躍をいただいております。また、教員の皆様には市や各種団体が開催する研修会の講師を依頼しているほか、市の審議会委員を平成26年度実績で延べ14人に委嘱しておりました。 このように上田市の各施策における連携、協働や学校教育、生涯学習活動への支援、また有識者として審議会においてご意見を賜るなど、長野大学の皆様にはさまざまな場面で貢献していただいております。長野大学とその教員や学生の皆様には約50年の歴史の中で地域に根づいた欠かせない存在であると認識しております。 続いて、環境ツーリズム学部の持続可能な地域づくりを担う人づくり、これを明確にしているということでございますけれども、上田市の評価はどうかということでございます。環境ツーリズム学部は、環境、観光、地域ビジネスという3つのコース、領域から成る全国でも数少ない特色ある学部であります。自然環境を保護し活用することは観光の発展につながりますし、観光は地域にとって重要なビジネスの柱であることから、この3つは密接な関係にあると考えます。この環境ツーリズム学部が持続可能な地域づくりを担う人づくりを掲げて学生の育成に取り組んでいただくことにつきましては今まさに地方創生の趣旨と合致することから、上田市にとって大変心強い取り組みであると考えております。 続きまして、実態調査や分析など文系的な地域貢献、これについて市の考えのご質問でございます。既に長野大学が取り組んでいます地域連携の一例を挙げますと、環境ツーリズム学部による上田道と川の駅プロジェクトにおけるイベントの企画、立案に活躍され、また企業情報学部が鹿教湯温泉100年ブランド創造プロジェクトと連携し、デザインによる観光振興、まちおこし、地域づくりという分野で地域連携に取り組んでいただいております。実際に学生が地元自治会を対象にして現地調査を行いました。今後その結果を分析し、上田市にも具体的なアイデアを提案いただけるものと期待しております。 このように学生ならではの斬新な発想や教員の力を結集していただき、地元企業と連携した商品やサービスの開発、マーケティング調査に基づくニーズの把握や市への政策提言など、文系学部ならではの手法を生かせると考えています。公立大学法人化されますと、こうした連携の中身につきまして、今まで以上に市と協働しながらつくり上げていけるようになりますので、産学官連携のさらなる充実が図れるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) まちづくりの研究でありますけれども、環境ツーリズム一例に挙げさせていただきましたが、今実際須坂市、東御市、飯山でまちづくりの研究を一緒に進めていると、こういう話を聞いております。ただ、いわゆる今のまちづくりの研究の主流というのは、全国的にも歴史的なものを生かしたまちづくり、これが全国的に行われているという傾向の中で、残念ながら上田市はどうもそこのところの発想がないのかなというのも実感として感じているところでございますので、ぜひともまちづくりの戦略の中に長野大学を生かすことをちゃんと位置づけてもらいたい。しかも、今までのパターンですと、大学側から行政に対して声かかるというパターンが全国的には主流だったのですけれども、今度は逆にこちらから大学に声をかけて一緒にやるというのが新しい動きという話も聞いていますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 一例として環境ツーリズム学部を取り上げさせていただきました。いわゆる地域内経済循環のシステムづくりを目指していく、こういうことでございます。いわばTPPのようなグローバル経済至上の新自由主義的発想ではなくて、議会、上田市議会の産業水道委員会でも調査研究し、その必要性に言及をした、仮称でありますけれども、上田市中小企業振興基本条例制定にもつながるものだと、このようにも私個人的には思っているところでございます。このように幾つか評価できるところがございますが、このいいところをさらに発展させる方向を見つけ出していく、そのこと自体が課題でもある、このようにも考えるところでございます。 次の質問に移りますが、事前に通告しておきました財政の課題3つほどございました。運営費交付金が交付される保証はあるのか、それから大学の将来の収支見通しはどうか、さらには増収策としての実績はどうか、この3つの質問については割愛をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 次に、大学自治、学問の自由、教育サービスは公立法人化によって後退しないかということについてであります。学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律が平成26年6月27日公布され、平成27年4月1日から施行されました。旧学校教育法93条は、大学には重要な事項を審議するため教授会を置かなければならないと規定してあり、大学の自治の中核的な要素として教授会を位置づけていました。これに対し一部改正された法律は、大学の意思決定権が学長であることを前提にして、その学長が決定するに当たり意見を述べるだけの機関として教授会を位置づけています。教授会を諮問機関に格下げをし、教育研究活動の現場における主体的な参加の権限と責任を奪うことによって、学長による上意下達の強権的な大学運営を確立しようとするものであります。希代の悪法であるとして、当時全国の国公市立大学の多くの教職員組合から廃案へのメッセージが全国に発信をされました。国立大学の場合は国と大学という関係でありますけれども、公立法人化ということになれば上田市と長野大学という関係になります。大学組織の基本でありますけれども、議員懇談会の中で、理事長と学長は別となることを長野大学側から説明がありましたが、理事長と学長を同じにするか別にするかについて長野大学ではどのような議論がされたのか、承知しているのか伺います。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 理事長と学長を同じにするか別に置くかにつきましては、大学内部の協議において双方の利点と欠点が議論され、同じが好ましいとの方向性が一旦出たとお聞きしております。その理由といたしまして、地方独立行政法人法の原則では、理事長は大学の学長となるものとするという規定があり、別に置くのは例外的な措置ということ、また教育と大学運営における円滑で一体的な意思形成が可能となるといったものであったということでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 公立大学では理事長と学長は別の人物でもよいという制度になっているということだというふうに今の答弁だろうというふうに解釈をします。長野大学内での学内合意でありますけれども、長野大学の性格上、非常に小規模の大学ということもあって、教学と経営の意思形成を別にしないで、経営と教学を常に同時に視野に入れて大学法人として意思形成を行ってきた、これがこれまでの経験で、これが適切な意思形成方式であるというのが長野大学で一定の方向として学内合意した理事長と学長の一体型、これは2014年の7月2日の全学教授会の学内合意、このように聞いています。要はこの合意をどう尊重してきたかということでありますけれども、市としては理事長と学長を別に置くという方針とのことですけれども、大学との調整の上でのことなのか、またそうした理由は何か伺います。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 理事長と学長を同じにするか別々に置くかという点につきましては、定款の中で正式に定めるものでございまして、現時点では決定しておりません。理事長と学長を同じとした場合、意思決定が円滑であるといった利点がある一方で、負担が1人に集中したり、極論ではございますが、独善的な意思決定がされるといったマイナス面もございます。一方、理事長と学長を別に置いた場合には、反対に経営と教育研究に配慮された慎重な意思決定がなされる一方で、理事長と学長の考える方向性が異なってしまうと決定がスムーズにいかなくなるなどマイナス面も考えられます。このようにどちらを選択するかは今後大学の意見もお聞きして慎重に検討して判断していくことが必要であります。よりよい結論が導けるよう鋭意検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 学内での合意と、それから懇談会の中での報告とのタイムラグがございました。今申し上げましたように、長野大学の全学教授会での学内合意は、14年7月2日でありますけれども、理事長と学長の一体型と、こういう学内合意がされたにもかかわらず、議員懇談会では別にするということでございます。とにかく正直に議論の俎上に乗せてもらわないと判断基準が狂いますので、大学側にもぜひとも伝えておいていただきたいなとつけ加えておきます。 さて、同時に懇談会で示された組織図でありますけれども、市長が任命する理事長が学長を任命する仕組みになっていますが、この上下関係の中で適切な意思形成が成立するのか、大学自治、学問の自由は保障できるのか、これについても伺います。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 理事長と学長を別に置くとした場合、学長は理事長が任命することになっておりますが、大学の自治を尊重するための仕組みといたしまして、地方独立行政法人法の規定により、学長選考機関が設けられ、その選考に基づいて任命することになります。また、学問の自由は日本国憲法で保障された権利でありまして、地方独立行政法人法でも学長や教員の人事等を行うに当たっては、大学における教育研究の特性に常に配慮しなければならないとされております。さらに、大学の教育研究が自主的かつ自律的に行われるために、学長と学部長以下の教員で構成します教育研究審議機関を置いて、教育研究に関する重要な審議を行うこととされております。こうしたことから、理事長と学長が別に任命されたとしても、大学の自治と学問の自由は担保されると考えております。 なお、公設民営から公立大学法人化した先行の5大学のうち、4つの大学が理事長と学長を別に置いているとのことでございます。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 次に、質問用意した公立法人化した場合の庁内での体制、専門部署を置くことについては、これにつきましても割愛をさせていただきます。 さて、大学の設置者がかわると労働条件も当然変わります。雇用契約が全部変わるが、学内で働いている人の労働条件を守ることと学生に不利益を及ぼさないということが保障できるのか、大変重要な問題になってくると、このようにも考えます。財政問題はあるにしても、学生は教育サービスを見て入学してくるので、このサービス低下があってはならない、当然のことであります。組織の中では仕事への意欲を指し、意欲を持つことや引き出すことを動機づけと呼んでいるモチベーションの課題として、教育サービスを支える教職員の現在の労働条件について市はどのような認識を持っているのか伺います。 そしてまた、公立大学法人化について教職員の現行の労働条件を守ることが学内合意されていると聞くが、市としてはどのように考えているのか伺います。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 最初に、現在の教職員の労働条件について市はどんな認識を持っているかというご質問でございます。現在の労働条件といたしまして、まず教職員の給与制度でございますが、一部の教員が年俸制であることを除いて、原則国家公務員準拠となっておりますが、入学定員に対しまして入学者が大幅に下回った平成19年度から段階的に削減を行ってきていると聞いております。具体的には、平成21年度の期末手当は19年度比で平均30%の削減を行ったとのことでございます。このほかにも寒冷地手当の廃止、扶養手当の減額、役員報酬の減額がされていると伺っております。 給与以外の労働条件についてでございますが、休暇制度や福利厚生などは今後詳細については大学に伺って労働条件について把握してまいりたいと考えております。 公立大学法人化して現行の労働条件を守ることが学内合意ということですけれども、市はどのように考えるかというご質問でございます。公立大学法人化後の教職員の労働条件につきましては、現在大学と労働組合で交渉中であるとお聞きしております。学内合意の意味でございますが、教職員の身分は学校法人解散後も公立大学法人の教職員として引き継ぐ、役員報酬や教員給与につきましては、現行制度を基本に、上田市の給与体系と乖離が生じないよう検討、協議をするといった内容であるということで理解しております。 いずれにいたしましても、労働条件についての細部の決定はこれからのことでございますし、大学の労使合意についても尊重することを基本としながらも、公立大学法人になるという公共性に鑑みて、市民の皆様の理解と納得が得られ、社会一般の情勢に適合したものとなるよう、今後市と大学側との協議を本格化したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 大学の基本的な組織の問題、さらにはまた大学で働く労働者の問題、学内合意を十分尊重する、このことを申し上げたいと思います。 最後でありますけれども、今後の予定について2点伺います。上田市と長野大学が意見を一致させる上で、上田市と長野大学がそれぞれメリットのある将来展望を市民に示せるかどうかが鍵となっています。上田市として長野大学の公立大学法人化に向けて取り組む方向性を示し、仮称ではありますけれども、長野大学公立大学法人化実施方針が必要ではないかと考えるがどうか伺います。 加えて、その方針に策定の趣旨や組織、業務、人事制度、目標・計画、評価、財務会計制度、法人化のスケジュールなどを盛り込むべきと考えるがどうか伺い、私の質問を終わります。 ○議長(下村栄君) 金子政策企画部長。          〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕 ◎政策企画部長(金子義幸君) 長野大学の公立大学法人化に向けての、仮称でございますが、長野大学公立大学法人化実施方針、これのご提案をいただきました。ご提案いただきました長野大学法人化に向けて取り組む方向性を示すことは大変重要であると考えておりますので、目指す公立大学法人化後の大学像を明らかにした上で、例えば先ほどご提案をいただきました財務会計、組織、人事、目標、評価など、それぞれの制度の概要やその作成のスケジュールなど、計画を立てて実行する必要があると考えておりますので、仮称でご提案いただいたこういう名前にするかはともかくとして、スケジュールを立てながらしっかり市民の皆さんにご提示していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(下村栄君) 渡辺議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ございませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(下村栄君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回はあす8日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 5時37分   延会...